【リサイクル】お菓子に入っているシリカゲル乾燥剤の再利用法

第1752回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
クッキーやせんべいなどのお菓子や海苔、乾物と一緒に封入されている小さな袋・乾燥剤。ご存知の通り、食材が湿気るのを防ぐ役割がありますが、一般的には捨ててしまうもの。でもじつは、様々な活用法があるんです。

【リサイクル】お菓子に入っているシリカゲル乾燥剤の再利用法

乾燥剤のおもな種類は3つ

食品に使われる乾燥剤の種類は、「シリカゲル」「石灰乾燥剤」「脱酸素剤」のおもに3つ。ひと口に「乾燥剤」とは言っても、それぞれ特徴が異なるのだとか。

【乾燥剤の特徴】
(1)シリカゲル
シリカゲルの原料である二酸化ケイ素は、表面が多孔質、つまりたくさんの穴が開いている状態。その無数の穴で湿気を吸着するそう。また、シリカゲル入りの乾燥剤はさらに「A型シリカゲル」と「B型シリカゲル」の2つに分けられ、前者は低湿度な空間での吸湿性に優れており、カメラなどの精密機器に使われることも。後者は、家庭用の除湿剤などに使用されることが多く、高湿度な空間での吸湿性に優れています。

(2)石灰乾燥剤
石灰乾燥剤の主成分は、酸化カルシウム(生石灰)。空気中の水分を吸収し、水酸化カルシウムへと変化する化学反応を用いた乾燥剤。はじめのうちは小石のような粒状ですが、吸湿していくにつれ膨張し、粉状に変化するので、それが効果切れのサイン。再利用には向かない乾燥剤です。また、水に混ざると発熱する特性があるので、要注意!

(3)脱酸素剤
文字通り、酸素を吸収して食品の品質を保つもの。多くの食品は、酸素に触れると酸化してしまい、品質が保てなくなりますが、それを防いでくれるのがこの「脱酸素剤」です。上記2つとは少しはたらきも異なっており、水分を含むと品質が落ちてしまう食品を守るのではなく、水分を多く含む“しっとり食感”の食品を酸化やカビから守るために使用されます。

再生シリカゲルの作り方

上記3種類のうち、乾燥剤としての再利用に適しているは「シリカゲル」。基本的には透明な粒ですが、一部、青い粒が入っていて、これがピンクに変わると効果切れのサインです。

「A型シリカゲル」は150~180℃の温度で加熱することで、「B型シリカゲル」は天日干しすることで吸湿力を回復することができるそう。粗熱をとって通気性のある袋に入れて密閉すれば、再生シリカゲル乾燥剤の完成です。

食べかけのお菓子の袋に入れても、砂糖や塩、小麦粉、インスタントコーヒーなど粉ものが入った缶やビンに入れても◎。湿気を含んで固まってしまった砂糖や塩も、再生シリカゲル乾燥剤を数日間入れておくだけでサラサラに戻るとか戻らないとか。

もちろん、食品だけでなくクローゼットや靴(靴箱)の除湿にも効果を発揮するので、ブーツや長靴に入れたり、小さい器に入れてそのまま玄関に置いたりしてもよさそう!

ちなみに、(2)石灰乾燥剤は、肥料として再利用可能。袋を開けて土に混ぜるだけで、土壌改良剤に早変わり。ただし、先述の通り水を含むと発熱しますので、素手での作業は避けた方がよさそう。また、念のため、子どもが近くにいないことを確認して作業することをおすすめします。

食品の品質を保つ乾燥剤は、少しの手間で色んな場所の除湿に使えるアイテムに。ジメジメが気になる梅雨の時期にはピッタリかもしれませんね。
(文・三軒茶屋すみ子/考務店)

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