なぜ、我が子にピアノを習わせるの?

なぜ、我が子にピアノを習わせるの?

第1回 習い事の王道 なぜピアノを習うの?
子育てママたちが悩むテーマのひとつに、“子どもの習い事”がありますね。たくさんある習い事の中から、何をやらせたらいいのか?成長著しい子どもの幼少期は、その子の将来にとっても大事な時期になるので、悩むのも当然ですね。
そんな中、昔も今も“習い事の王道”として人気が衰えないのが“ピアノ”です。今でこそ、スイミングスクールや学習塾、英語教室などに押されぎみではあるものの、常に上位にランキング。“体力をつける”“成績を上げる”など、わかりやすいメリットがあるようにも思えないのに、なぜ人気なのでしょうか?そこには、いろいろと理由がありそうです。
そこで、我が子にピアノを習わせているママの声をもとに、その理由を検証してみました。

ピアノの鍵盤画像

ピアノは人生を豊かにしてくれる!?

我が子(幼稚園~小学生6年生まで)に、ピアノを習わせているママ50人に“なぜピアノを習わせているのですか?”という質問をしたところ、さまざまな意見が寄せられました。まずは、それらの代表的なものを挙げてみます。

「子どもがピアノを習いたいと言ったから」

「自分が小さい頃にピアノを習っていて、今よかったと思っているから我が子にも習わせたかった」

「ピアノが弾けると素敵だから」

「ピアノを弾ける人が羨ましくて、我が子には弾けるようになってほしかったから」

やや漠然とした理由が多いものの、自分の経験などもふまえて“ピアノが弾けるといいことがある”“ピアノが弾けると人生が豊かになる”といった将来へのプラスイメージが読みとれますね。

ピアノレッスン画像

ピアノは音楽の基礎が身に付く!?

一方、以下のようなスキルの部分での具体的な理由を挙げるママも多かったんです。

「ピアノを習っておけば、音楽の基礎が身につくから」

「ピアノが弾けると、どんな曲もひとりで表現できて、大人になっても楽しめるから」

「楽譜が読めるようになると、将来いろいろ役に立つから」

「音感を身につけるのは早い時期がいいと聞いたから」

こちらは、かなり具体的な意見ですね。
確かに、ピアノは音楽の基礎を学べる楽器として知られています。
88鍵と音域が非常に広く、一人で曲のオーケストレーションが演奏できる万能楽器。どんな曲もひとりで表現し楽しめるのは、他の旋律楽器(管弦楽器など)には味わえない究極の魅力です。
また、ピアノは演奏のみならず、音楽教育や作曲などにも広く用いられ、例えば音楽大学では、専門楽器が違う生徒も必ずピアノは副科で勉強しなければならないほど、音楽の基本中の基本になる楽器なのです。

また、ピアノは音域が広い分、他の旋律楽器に比べて“楽譜を読む力”もより高度に要求されます。両手のパートの楽譜を同時に瞬時に読む訓練をしてあるので、ピアノをやっておくと他楽器に変更しやすいというメリットもあるのです。つまり、ピアノをやっておけば、その後ブラスバンド部に入ったり、バンドをやったり、コーラスをするにしても、可能性が容易に広がるのです。

さらに“音感”という言葉が出てきましたが、幼少期に音楽を学べば、音感が少なからず鍛えられることは言うまでもありません。(絶対音感については、8歳くらいまででしか身につかないといわれている)

こうしたさまざまな意見がある中で、50人のママの中には、一人も“ピアニストになってほしいから”と言ったママはいませんでした。音楽が人生を豊かにしてくれるというイメージは多くの親御さんが持っているものの、ピアノを習わせてピアノで大成してほしいとまで思っているケースは少ないのかもしれません。
つまり、人生の中で音楽を楽しんでいくための基盤、素養、かけがえのない財産になるものとしてピアノを習わせてあげたいということのようです。

楽譜の画像

撮影/岡村智明 構成・文/横田裕美子