洗剤の除菌能力にも差が…台所用スポンジは2週間に1回交換したほうが良さそう

第2027回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
「スポンジを除菌できる」ことをウリにした洗剤のCMをみかけますよね? でも、実際どのくらい除菌できているのでしょうか。目には見えないから困りよう。そうした商品たちがたくさん登場したことを汲んでか、過去には東京都消費生活総合センター はどれくらい除菌ができるのかを調査しています(平成14年10月~平成15年3月『「スポンジ除菌」のできる台所用合成洗剤 』)。

調査では、4社が販売している除菌効果の表示があるもの7商品と、表示のないもの3商品で調査が行われました。

では結果はどうだったのか? 調査書では、

“実使用のスポンジ中の菌数にはばらつきがあった。 除菌処理を行ったものはいずれも菌数が減少しており、これらの洗剤を使用することである程度の菌の減少効果が期待できると考えられる”

“しかし、測定値のばらつきが大きく、実際に使用しているスポンジに対しての菌の減少効果は商品間、除菌表示の有無による違いはあまりないと考えられる”

“いずれの商品も、おおむね接触時間が長い方が菌の減少効果が高かった。 また、処理後24時間放置したスポンジ中にも菌は残っており、「除菌」処理によって菌数がゼロになるわけではなかった”

としています。「除菌表示の有無による違いはあまりない」と言われると混乱しますが…。

この問題は世界共通の問題となっており、『ニューヨーク・タイムス』ではノルウェーの微生物学者ソルベーグ・ランスラッドさんの意見が紹介されています。そのなかでは、

(1)スポンジで食べ残しや肉汁などを拭かないこと
(2)乾いたスポンジに菌は繁殖できないので乾燥させておくこと
(3)1週間に1度、あるいは匂いがしたらスポンジを取り替えること

と言っています。

また、東京都消費生活総合センターも報告書で「消費者へのアドバイス」として、

(1) 「除菌」表示の有無に拘わらず、洗剤をスポンジにしみこますことにより、菌の減少効果がある程度期待できると考えられます。しかし、スポンジを「除菌」しても、菌数がゼロになるわけではないので、洗剤による「除菌」に過大な期待をしないようにしましょう。

(2) スポンジを清潔に保つために、「除菌」洗剤が不可欠というわけではありません。使い終わっ たスポンジを水で十分洗浄した後、熱湯消毒するなどの方法もあります。

(3) スポンジを「除菌」するときは、表示されている使用方法を守り、洗剤を使いすぎないようにしま しょう。

とまとめています。ランスラッドさんの主張と、東京都生活総合センターの意見をあわせた所が答えのようです。最後に、同じ『ニューヨーク・タイムス』の記事で、ドイツの微生物学者マーカス・エーゲルトさんは、「スポンジについて、ヒステリーになったり怖がったりすべきではない」と述べ、無菌の環境でも人は病気になることがある、と付け加えた。「しかし、自分が病気のときや、家庭に病人がいるような場合は気をつけたほうがいい」とも述べています。

1週間でこまめにスポンジを取り替えるのが、一番かもしれません。
(文・嵯峨根きよみ)

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