メディア個別 新型コロナよりも感染しやすい病気も。予防接種の大切さ | パパコミ | ママの知りたいが集まるアンテナ「ママテナ」

新型コロナよりも感染しやすい病気も。予防接種の大切さ

第243回 パパコミ

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、病院などの医療機関に行くことが心配だという方もたくさんいると思います。しかし、小さい子どもたちにとって脅威になりかねない病気はいろいろあります。今回は『祖父母手帳』や『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』の著者で小児科専門医の森戸やすみさんに、様々な病気から身を守るために必要な予防接種について教えていただきました。

予防接種を受けない人が増えている現状

新型コロナウイルスの感染拡大で、私たちの生活環境はいろいろと変わりました。目に見えず、いまだわからないことが多いウイルスの対策は本当に難しく、不安ばかりが募ると思います。特に乳幼児や未就学児を持つ親としては、我が子が感染してしまうのではないかと不安な日々を送っていると思います。

その影響を受けているのが、予防接種です。主に乳幼児は、たくさんの予防接種の通知が届き、対応するのも大変ですが、我が子の命を守るためにはとても大切なことです。ところが2020年6月に行われた日本小児科学会の分析によると、3歳児以降の定期の予防接種の接種率が低下傾向であることがわかりました。

特に接種率の低下が大きかったのは3歳児以降のようです。3歳児を対象とする日本脳炎の1回目の接種は35%減、小学校入学前の1年間に接種するはしか(麻疹)と風疹混合ワクチン(MR)の2回目は47%減と、年齢が上がるにつれて接種率は下がっています。(川崎市のデータ)

予防接種を受けていないからといって必ずかかってしまうわけではありませんが、これほどまでに受けていない子どもが多いというのはとても心配なことです。

はしかは1人から15人以上に広がる可能性が!

中でも心配なのがはしか(麻疹)です。新型コロナやインフルエンザは主に飛沫が感染経路ですが、はしかは空気感染します。つまり、かかっている人と同じエレベーターに乗ったり、同じ公共交通機関を利用するだけで感染する可能性があるのです。また、驚くべきはその感染力。過去の研究結果をみると、1人から15人以上に感染する可能性があるということです。新型コロナが1人から1人、ないしは2人程度の感染の可能性であることを考えると、いかに感染が広がりやすいかわかりますよね。

全世代の死亡率を見ると、はしかは新型コロナよりも低い数字が出ています。しかし、これはあくまで全世代のもの。新型コロナは子どもにかかるケースはそれほど多くないですし、重症になるケースも少ないです。一方ではしかの場合は合併症が起こりやすく重症化しやすい傾向があるので、さらに心配なのです。

親の感染も心配

はしかの場合、もうひとつ心配なのが、親の中にも十分な免疫力を持っていない人がいて、感染がさらに拡大する可能性があることです。

はしかのワクチン接種が始まったのは1966年ですが、定期接種となったのは1978年です。また、現在のように2回の接種となったのは2006年。つまり、この間に産まれた人には充分な免疫力がない可能性があります。もちろん、自然感染などにより免疫を獲得している場合もあるので必ずしも免疫がないとはいえません。なので、今からでも予防接種をしたほうがいいです。一度接種した人が、もう一度接種をしても問題はありませんから。

大人の場合、そもそも行動範囲が広いので感染を広げてしまう可能性も高く、また子どもと同じように合併症による重症化のリスクもあります。さらに妊婦の場合は流早産の原因となることもあります。

不安を軽減するためにも予防接種を

当たり前のことですが、新型コロナウイルスをはじめとする感染症の感染リスクをゼロにするのは難しいことです。しかし、だからとって予防接種を見送ることは他の病気にかかるリスクにつながることは間違いありません。

病院はすでに様々な感染対策をしていますし、小児科クリニックに関しては、これまでクラスターが発生したケースはなく、新型コロナウイルスに感染するリスクはとても少ないと思います。しかも、予防接種外来を設けているクリニックや病院は、予防接種を受けに来る元気な子しか来ないため病気をもらう可能性がまずありません。

病院に行くこと自体を不安に感じていることはあると思いますが、その他のリスクや不安を軽減するためにも予防接種はしたほうがいいと思います。これからどのような行動を選択するか、この機会に一度考えてみてください。

森戸やすみ

1971年、東京都生まれ。
1996年私立大学医学部を卒業し、医師国家試験合格。一般小児科、NICU勤務などを経て、現在は台東区の『どうかん山こどもクリニック』に勤務。専門的な学術書と手に取りやすいマンガの中間の方法で育児を支援していきたいと考えている。

著書に『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』、『産婦人科医ママと小児科医ママのらくちん授乳ブック』、『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』(メタモル出版)、『赤ちゃんのしぐさ』(洋泉社)
ブログ Jasmine Cafe

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「パパコミ」は、0歳~6歳の子どもをもつパパや、そんなパパたちを応援するママを対象にした情報サイトです。未来を担う子どもと、子育て中のパパ・ママを「元気」にできるよう、育児に役立つ情報を日々発信しています。
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