子にケータイを持たせる前の約束事

子にケータイを持たせる前の約束事

第3回 子どもにケータイ、いつから持たせる?
「子どもがケータイばかり使っているから、取り上げた」などという話、身のまわりで耳にしたことがある人も多いのでは? 

「ケータイを子どもから取り上げる」「ケータイの使用を禁止する」というのは、手っ取り早い対処法に見える。しかし、かえってケータイへの執着心を強めてしまうなど、逆効果になることも。

「『何かあったときに取り上げる』のではなく、子どもにケータイを持たせる前に、使い方に関する約束事を決めましょう」

こう教えてくれたのは、「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」の高橋大洋さん。具体的に、家庭でどんなことを決めたら良いの?

「子どもたちは大きなトラブルに直面する前に、必ず小さな トラブルを経験しています。その段階ですぐ保護者に相談できるかどうかが、トラブルに巻き込まれるかどうかの大きな分かれ道になります」(高橋さん 以下同)

たとえば、架空請求詐欺や有害サイト、ケータイを使ったいじめ、ネットで知り合った人とのトラブルなどが起こることがある。そんなとき、「ケータイを使っていて困ったこと、怖いことがあったら、すぐに周囲の大人に相談すること」と、あらかじめ子どもに伝えておけば、トラブルを未然に防げるそう。

子にケータイを持たせる前の約束事

また、ケータイやスマホを使ったインターネットでの遊びは、ついつい長時間になりがち。けじめをつけさせるには、どうしたら良い?

「目覚まし代わりにケータイを部屋に持ち込む子どもも少なくないですが、「『夜●時になったら電源を切る』など、利用時間の習慣づけを行いましょう。ケータイの与え初めから意識的に取り組むことが大切です」

子どものケータイの使い方に目を光らせることも必要。でも、「子どもたちは親の使い方をよく見ていて、同じようにしたがるもの」と高橋先生は指摘する。

「保護者も『食事中にはメッセンジャーなどに応答しない』『寝る直前の時間帯には使わない』など、インターネットとの適切な距離感を意識して、子どものよいお手本になるように使い方を見直してみてください」

子どもにケータイを持たせるなら、「使用しつつ、徐々にルールを決める」のではなく、あらかじめきちんとルールを決めておくことが肝心。そしてもし、親子間の約束がきちんと決められないのなら、それはまだケータイを与える時期ではないのかも?
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

高橋大洋
高橋大洋
子どもたちのインターネット利用について考える研究会 事務局
ネットセキュリティ関連事業者を経て、2011年からピットクルー株式会社勤務。「子どもネット研」事務局の立場などで、保護者、教職員、児童生徒向け講演を全国で実施。
ネットセキュリティ関連事業者を経て、2011年からピットクルー株式会社勤務。「子どもネット研」事務局の立場などで、保護者、教職員、児童生徒向け講演を全国で実施。