●換気扇は大きさで、エアコンは畳数で風量が激変
換気扇の性能というのは、あまり意識したことのある人はいないと思いますが、風を送る能力は換気扇によって大きく異なります。一般的に使われるサイズで最も小さい直径15cmの羽のものだと1時間に330立方メートルの風を送れる程度の風量を持っています。これが20cmになると510程度、25cmになると860程度にまで風力が増えます。
一方でエアコンは対応する畳数で風力が変化し、エアコンの機種にもよりますが6畳向けで最大720程度、8畳向けで770、10畳向けになると830程度まで風力が上がることになります。
●オープンキッチンは注意!
もっとも、この数値がエアコンが大きいからといって、換気扇が役に立たなくなるということはなく、エアコンの最大風量は電源をつけた直後などの一時的なもので、風量が手動設定になっていない限りは、通常時は半分程度になるものがほとんどです。
また、エアコンとキッチンの間に仕切りがあったり、直接風が通りにくいようになっていれば、キッチンの空気はエアコンまで回らず換気扇から排出されるので問題になる可能性は低いです。
しかし、キッチンとリビングの間に仕切りがなく、距離も近いオープンキッチンなどは注意が必要です。キッチンとエアコンが近ければ、ニオイを含んだ空気がエアコンに吸われ、リビングに行き渡ってしまうだけでなく、エアコンに油汚れなどが染みついて嫌なニオイの原因にもなることがあるんだとか。
本来家を建てたりする際は、電気工事業者や建築士などがエアコンや換気扇の風量をチェックして設置しているものですが、エアコンを新しくしたり、換気扇を交換する際は、値段だけを気にしたりしていると、このバランスが崩れてしまうこともあるので要注意! 特に換気扇を変える必要があるときには、間取りやエアコンの位置などを説明し、家の構造にあった性能の換気扇を選ぶようにしましょう。
(文・姉崎マリオ)