子どもでも食べやすいのはどれ? グミ9種の硬さを測定器で調べました

第29回 日常消費財の徹底比較 いいモノ買い隊
電車やバスなど、乗り物のなかでも気軽に食べることのできるグミは、子どものおやつにもピッタリですよね。でも、硬いグミを与えると、ちゃんと噛めるのか不安があるもの…。そこでここでは、測定器を使用して、グミの強度を比較してみました。

グミ9種類

フォーステスターでグミの硬さを測定

グミの種類は数多くありますが、今回比較対象として用意したのは、スーパーやコンビニなどで購入できる以下の9種類です。

(1)「コグミ」(味覚糖・85g・148円)
小さめのグミで、「マスカット」「アップル」「オレンジ」「グレープ」の4種類の味が入っています。手で触るとやや柔らかめの印象。

(2)「コロロ」(味覚糖・48g・142円)
グミをコラーゲンの膜(皮)で包んだもの。プチッと弾ける“くだもの食感”が特徴で、他のグミとは少し異なるタイプ。

(3)「果汁グミ」(明治・51g・108円)
ぶどうの形をした見た目もかわいらしいグミ。商品パッケージには、“心地よい弾力食感”と表記されていますが、硬さのほどは?

(4)「コーラアップ」(明治・100g・204円)
ハードグミのなかでは外すことのできない存在である「コーラアップ」。コーラ好きの方なら、一度は食べたことがあるはず。

(5)「ピュレグミ」(カンロ・56g・130円)
平たい形をした「ピュレグミ」は、なかなか硬そう。今回はあまずっぱい「レモン味」をチョイスしましたが、他には「マスカット味」などもある。

(6)「つぶグミ」(春日井製菓・85g・142円)
丸みをおびた小さめでキュートな形状とは裏腹に、“硬め食感!”を謳った同商品は、1袋でいろんな味を楽しめるのが特徴。

(7)「ハリボー ゴールドベア」(三菱食品・100g・248円)
ネット上で「硬いグミを教えて」と聞けば、必ず名前が挙がる「ハリボー」は、硬さランキングの上位になりそう。

(8)「フェットチーネグミ」(ブルボン・50g・108円)
平たく細長い形のグミで、“アルデンテな弾む噛みごこち”といわれています。

(9)「タフグミ」(カバヤ食品・100g・194円)
商品名からして硬そうな「タフグミ」は、強い弾力が特徴。粒感も大きめで見るからにタフ。

これらの硬さを測定する機材は「フォーステスター」と呼ばれるもの。「スイッチの押し込みの強さ」や「シールのはく離強度」、「板材の曲げ強度」など、様々な“強さ”を調べることができ、今回はグミの硬さに使用。測定結果では、力の単位である「N(ニュートン)」値がわかり、数値が低いほど“硬く”、数値が高いほど“柔らかい”ということになります。

フォーステスター

グミの硬さランキング…1位は?

では、グミの硬さランキングを下位から発表!

9位:「フェットチーネグミ」 567.4/N
今回のグミのなかで、もっとも柔らかかったのは、「フェットチーネグミ」。細長い形状とほどよい弾力は、子どもでも食べやすいかも?

6位:「果汁グミ」、「つぶグミ」 、「コロロ」 567.3/N
実際にそれぞれを食べ比べてみると、「コロロ」は9種類のなかでもっとも柔らかい印象がありましたが、測定の結果、「果汁グミ」「つぶグミ」と並び、6位にランクイン。

5位:「コグミ」 565.0/N
6位と2.3ポイントの差をつけたのが、「コグミ」。ここから徐々に強度が高くなり、数値に変化が出てきます。

4位:「ピュレグミ」 561.5/N
9位の「フェットチーネグミ」と同じように平らな形状の「ピュレグミ」は4位という結果に。確かに硬さはありますが、他のグミのように歯を押し返す弾力はあまりなく、噛み切りやすいです。

3位:「コーラアップ」 553.2/N
商品パッケージに“ハードグミ”と書かれている通り、3位にランクインした「コーラアップ」は、実際に食べてみても納得の硬さがあります。

2位:「タフグミ」 548.1/N
2位は「タフグミ」。1位にはなりませんでしたが、噛んだときの“弾力感”や噛み応えは圧倒的に1位になってもおかしくない強さがあります。

1位:「ハリボー ゴールドベア」 527.9/N
「やはり」ともいうべきか、硬さランキングの1位は「ハリボー」。小さい子どもでは、食べづらいかもしれません。

グミの硬さは子どもの発育に関係する?

前述のランキングのように、ひと口にグミといっても、硬さはまったく異なるので、ママパパとして気になるのは、子どものあごや歯の発育への影響ではないでしょうか。

硬いものを食べさせないとあごが発達しにくいとか、そんな話は聞いたことがあるけど、グミも硬めの物を選んで食べさせるべき? 『国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”』(幻冬舎)の著者である矯正歯科専門医の宮島悠旗さんにご意見をうかがうと、「歯の成長に合わせることが大切です」とのこと。いったいどういうこと?

「歯が生えそろっていない時期やまだ歯の成長途中にあるなかで歯の硬さに見合っていないものを与えると、噛みにくいため、丸呑みしてしまうことが増えるなど、あごや歯の発達に悪影響を与える噛み癖がついてしまいやすいのです。こうした異常えんげ癖は、噛み合わせの不揃いにもつながっていきます。また、2~3歳くらいになれば乳歯も生えそろい、ある程度の硬さのものを噛めるようになりますよ」(宮島悠旗さん)

「ハリボー」や「タフグミ」、「コーラアップ」など、大人が食べても硬いと感じるグミを良かれと思い食べさせていると、子どもによっては、あごや歯の健康を害してしまう可能性があります。

ママが食べるグミは、自分好みの硬さを選んでも大丈夫ですが、子どもの場合は、柔らかいものから与えて、“しっかり噛めているか”、“噛みづらそうにしていないか”など、様子を確認しながら食べさせましょう。
(文・山手チカコ/考務店)

※表示価格はすべてコンビニで購入した際の税込金額です

※本記事の情報は執筆時または公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。