ロタウイルスとノロウイルス。正しい知識と対処法

ロタウイルスとノロウイルス。正しい知識と対処法

第3回 冬の感染症と予防策
吐き気や下痢など、おなかの感染症も心配です。ロタウイルスとノロウイルスには、どのように対処したらいいのでしょうか。

ロタウイルスとノロウイルス。正しい知識と対処法

●ロタウイルスとノロウイルスってどんな病気?

ロタウイルスとノロウイルスは、おう吐や下痢になる感染症です。
ノロウイルスには予防接種がありませんが、ロタウイルスはワクチンで防げる病気です。ワクチンを接種していれば、病気にかかっても軽くすみます。ロタウイルスワクチンは、生後6週から14週6日までに接種を開始しなければならないワクチンです。1価ワクチンと5価ワクチンがあり、それぞれ接種回数が違うので、かかりつけ医に相談して接種しましょう。ワクチン費用の助成金が出ている自治体もあるので、確認してみるといいですね。

●おう吐物はどうやって処理する?

おう吐物から感染することもあるので、処理はていねいに行いましょう。マスクをして、ペーパータオルや古布などでおう吐物を拭き取り、塩素系漂白剤をスプレーしてさらに拭き取ります。ペーパータオルや古布は袋に入れて口を縛って捨てましょう。ゴミの袋もできるだけ家の中に置かず、ベランダなど戸外に出しておきます。
汚れた寝具などは、熱湯や塩素系漂白剤などでしっかり消毒しましょう。おう吐物やウンチの処理を行ったあとには、きちんと手を洗います。手洗いタオルの共用も避けましょう。

●子どものケアはどうする?

子どものおう吐が始まったら、2~6時間くらいは飲食をやめて、吐き気が収まるのを待ちましょう。吐き気が収まったら、イオン飲料などをスプーンで少しずつ飲ませるようにしましょう。吐き気がなく下痢だけなら、病気になった初期から温かい飲み物(1回量は少なめにして)を、頻回に与えましょう。
イオン飲料を必ず飲ませなくてはいけないと言うことではありません。昔は、下痢の時などにお粥やおじや、みそ汁の上澄みを飲ませたりしていましたが、おなかに優しい水分は、「糖質+ナトリウム+水」。まさにお粥やおじや、みそ汁の上澄み、素うどんなどでいいのです。これは家庭の味のイオン飲料と言えるでしょう。離乳食時期の初期に食べるものが、おなかにも優しいということです。

監修/川上一恵先生
監修/川上一恵先生
かずえキッズクリニック(東京都渋谷区)院長。
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。新生児から100歳のお年寄りまで、誰もが安心してかかれるホームドクター。子どもの病気、育児全般の心配、パパやママ自身の健康など、幅広く相談に応じている。
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。新生児から100歳のお年寄りまで、誰もが安心してかかれるホームドクター。子どもの病気、育児全般の心配、パパやママ自身の健康など、幅広く相談に応じている。
文/高祖常子
文/高祖常子
育児情報誌「miku」編集長。
NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、認定子育てアドバイザーほか。叩かない子育て講座、子ども虐待防止や、家族の笑顔を増やすための講演活動も行う。3児の母。
NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、認定子育てアドバイザーほか。叩かない子育て講座、子ども虐待防止や、家族の笑顔を増やすための講演活動も行う。3児の母。