メディア個別 パパにも知って欲しい「産後うつ」②~予防するには?なったらどうする?~ | パパコミ | ママの知りたいが集まるアンテナ「ママテナ」

パパにも知って欲しい「産後うつ」②~予防するには?なったらどうする?~

第277回 パパコミ

出産という大きな仕事が終わり、いよいよ幸せな子育て生活がはじまると思ったらうまくいかない・・・そんな時になってしまうことが多いという「産後うつ」。パパコミでは、ぜひパパにも知って欲しい産後うつのことを特集します。(1本目の記事はコチラ)お話を伺ったのは、「すべての家族に産後ケア」を目指して、産後ケア普及の活動をしているNPO法人マドレボニータの代表、吉岡マコさん。今回は、産後うつを予防するためにした方がいいことや、産後うつになってしまったらどうすればいいのかについて教えていただきました。

情報は夫婦で共有してください

今回もマドレボニータが2016年に出産を経験した女性1000人以上を対象に行ったアンケート調査の結果を基にお話を伺いました。

80%以上の産後女性がなんらかの症状を感じてしまうという産後うつ。とはいえ、できればなりたくないものです。予防する方法はないのでしょうか?

吉岡「正直なところ、100%予防することは難しいと思います。出産前の性格が社交的だったり内向的だったりという性格も関係ないようです。
出産して親になることで、心境的にも感覚的にも、そして価値観も大きく変化することはよくあります。

そんな中で予防に繋がる、もしくは産後うつになっても早めに対処し、重篤化させないためにはまず、出産前にしっかりと知識を得ることが重要です。

様々な症状がありますが、出産前にしっかり知識を得ることで、自分も産後うつの症状を感じる可能性を知ると、万が一、なってしまった時に、その事実や状況を受け入れることに繋がります。また、これは出産する女性自身だけでなくそのパートナーや双方の両親や兄弟姉妹、職場の関係者など、身近な人も含めて知ることが重要です。産後うつになってしまった本人はわかってはいても自分で感情などをコントロールできないことがあるので、その状況になった時には比較的冷静でいることができる周囲の理解がとても重要です。

産後うつを経験した女性たちの声を聞くと、苦しい時にパートナーや両親からかけられた無神経な言葉や行動でより辛くなったというケースがたくさんあります。

パートナーから『ホルモンの関係でしょ?』と軽く流されたことに落胆したり、家にこもっている自分の境遇と比べて楽しそうに仕事をしている姿に嫉妬したり、子どもの扱い方が雑でイライラしたり、中には『夫に子どもを触らせたくない、写真も見せたくないと思った』という声も。
自分だけが家事や育児をしているという不公平感が募ったり、辛さや苦しさを共感してもらえないことにイライラして当たってしまうということが多いようです。

また、親たちからは『あなたの子育ては間違っている』と言われて落ち込んだというものがありました。産後うつという概念がなかった頃に子育てをしてきた世代とのギャップもまた、産後女性を追い詰められる要因になります。

多人数が集まることが難しい今は機会が少ないかもしれませんが、自治体などが行っている両親学級などは産前産後に必要な情報を得るいい機会です。またインターネットを使って調べることもできます。ただしネットには正確ではない情報や極端な体験談もあって不安になってしまうことも考えられます。できれば夫婦で協力して、いろいろな情報を集めながら、自分たちに必要なものを精査して取り入れるようにしてください。

そして、もうひとつ。どんなに情報を集めていても、産後うつになることはあります。
それだけは忘れないようにしておいてください」

やっぱりパパは重要な位置

ママが産後うつになってしまったとき、パパはパートナーとしてどうすればいいのでしょうか?

吉岡「産後うつになった人に、どんな支障が出たかを聞きました。最も多かった答えが、パートナー、つまりパパとの関係に支障が出たというものです。

とにかく夫にイライラした、当たってしまった、という声は本当に多く、夫としても辛いところだと思います。一番近くにいるからこそ、なんとかしたいと考えるものの、うまくいかないし、むしろ当たられてしまい、精神的にも辛い。加えて仕事をしながら、育児もできる限り手伝おうと努力すると、体力的にもキツくなってきます。

その結果、男性の方もオーバーワークと睡眠不足が重なり、産後うつになってしまうケースもあるのです。ある調査では男性も10人に1人くらいが産後うつを経験しているそうです。

では、産後うつになってしまったママたちはどのようなきっかけで回復に向かうのかというと、アンケートでは、『環境に慣れたこと』が最も多く、ついで、『周囲とのコミュニケーションが充実してきたこと』が挙がりました。

コミュニケーションは身近なパートナーに限ったものではなく、産後ケア教室などで同じ葛藤を抱えるママ友に出会ったり、とにかく話のできる人を増やすことが回復に効果があるようです。

ただ、そういう機会を作るためにはパートナーの協力が必要です。物理的に子育てにコミットして妻をサポートする形もありますが、もしもそれができない場合でも子育て中の我が家をマネージメントする、といった面でできることはあります。例えば、夫婦で話し合って、ヘルパーさんを頼もうか、となったときに、来てもらえるヘルパーさんを探して予約したり、細かい連絡や支払い、などをパートナーが担う。それだけでも産後の、心身が不安定な女性にとっては相当負担が減ります。

できれば産後しばらくの間のケアの体制をどういう風にしようか?と、出産前にしっかり二人で話し合って、方針が決まったら、パパとなる男性が主導して妻の要望を聞きながら構築するといいです。
また、家庭内でのコミュニケーションにおいて注意して欲しいことは、とにかく産後の女性をねぎらい、自由にしゃべらせてあげること。そして善悪の判断をせず、否定をしないであげましょう。たとえ、不満や愚痴のオンパレードだったとしても。

体も心もボロボロの状況のママは、『子どもがかわいいと思えない』『もう育てたくない』など、時としてビックリするようなことを言ったりしますが、追い詰められた状況だからこそ出てしまっているもので、本心ではないこともたくさんあります。その言葉を否定してしまうと、さらに追い込んでしまうのであくまで一過性のものだと思って、寄り添ってあげてください。

産後うつは、人によっては比較的長く続くこともありますが、多くは『体力の回復』『周りとのコミュニケーションの充実』『子育てに慣れてきたこと』などが重なっていくことで、徐々によくなっていくものです。夫婦ともに辛い状況の時はなかなか先のことは考えられないと思いますが、適切に対処することができれば、終りがあるものと思って根気よく付き合っていってください」

初めての出産や育児は、とにかくわからないことの連続ですが、それでも事前に知識を持っておくだけで対応は大きく変わりますよね。今まさに産後というパパはもちろん、周りにこれから出産を控えている夫婦がいる方は、ぜひ情報を共有してあげてください。一つでも多くの家族が幸せに子育てに取り組めるように。

NPO法人マドレボニータ

1998年に代表、吉岡が出産後の体調の著しい変化を体験したことをきっかけに、産後女性を対象とした心身の健康管理の取り組みや、産後の健康に対する知識体系がないことに問題意識を感じ2000年同年9月に設立。
広く一般市民に対して、産後ケアの重要性を啓蒙するとともに、産前・産後の女性に向けた、産前・産後のボディケア&フィットネスプログラムを開発・研究・普及し、プログラム提供者の養成を行うことで、母となった女性が子育ての導入期を健やかに過ごし、子どもの健全な育成、虐待の予防、夫婦不和の予防、地域の活性化、女性の再チャレンジとエンパワメント、少子化への歯止めに寄与することを目的として活動中。
※マドレボニータとはスペイン語で「美しい母」という意味。

https://www.madrebonita.com/

配信元

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「パパコミ」は、0歳~6歳の子どもをもつパパや、そんなパパたちを応援するママを対象にした情報サイトです。未来を担う子どもと、子育て中のパパ・ママを「元気」にできるよう、育児に役立つ情報を日々発信しています。
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