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知っておきたい「発達障害」の基礎知識

第281回 パパコミ

我が子の行動や言動が周りの子たちと極端に違うと感じることが多いと、「もしかしたら発達障害かも」と心配する人もいると思います。最近ではたびたび耳にするようになったこの「発達障害」についてまずはちゃんと知ることからはじめてみましょう。今回は心身障害児総合医療療育センターの小児科医で、自身もADHD(注意欠如多動症)があるという山口直人先生にお話を伺いました。

愛情不足で起こることではありません。

ここ10年くらいで「発達障害」という言葉を聞くことは増えたと思います。よく「発達障害の子どもは増えているんですか?」と聞かれますが、正直なところ我々もわかりません。今までも同様の症状だった人がいたものの、それが診断されていなかったということも考えられるからです。

発達障害の原因についてもまだまだわからないことがたくさんあります。基本的には遺伝的な要素も含めて生まれつきのものです。その後の過ごしてきた環境なども影響する可能性はありますが、いわゆる育て方が原因ではないことは忘れないでください。

発達障害があるがゆえに子ども自身が困っていたり、周囲を困らせたりするような行動をする子どもたちがいますが、かつてはそれを「親の育て方が悪い」「愛情不足だ」とする傾向がありました。これは日本だけでなく世界的にそうだったんです。しかし、あくまで生まれつきの脳の特徴に関係したものなので、愛情不足だから起こったことではありません。

我が子がちょっと周りと違うと感じた時に自分を責めてしまう人がたくさんいます。また、周りの人たちも親のせいにしてしまうことがあります。最低限の知識を持って理解することでその状況は変わるので、繰り返しになりますが、親を責めるようなことはやめましょう。

発達障害の種類はさまざま。

一口に発達障害といっても種類はさまざまです。例えば、いわゆる自閉症と呼ばれる自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如多動症(ADHD)、限局性学習症(LD)などいろいろな種類があります。なぜ、このような種類があるのかというと、脳の特徴がそれぞれ異なり、合わせて子どもの特徴や困りごとが異なるということなのですが、複数の特徴をあわせ持つこともあります。
ただ、その多くは行動面や情緒面、認知機能などの苦手な部分があって、特に集団行動にうまく適応できずに、子ども自身が大きく困ったり、周囲を困らせたりするような行動に繋がってしまうということです。

一方で、偏りはあってもそれぞれに得意なものがある傾向も見られます。例えば、ASDの場合はこだわりが強く、スケジュールを時間通りにきっちりこなす事に執着する傾向があると言われていますが、その分、決められた作業などをひたすら実直にこなすことが得意だったりします。ADHDの場合は他の子が気づきにくいちょっとした変化に気づくことができたり、ハマったものには熱心に取り組んだりする傾向があるので、趣味や研究、勉強にハマったときに高い成果をあげることもあります。

この辺りもあくまで傾向で、一人一人違うので一概には言えませんが、過去の天才と呼ばれる人たちには発達障害の人が多いという話も、もしかするとそうなのかもしれないなと感じます。

我が子が発達障害かもと思ったら

2~3歳くらいの幼児期から言語発達の遅れ、行動や情緒の特徴が強く感じられるようになり、発達障害に気づくというケースが多かったですが、最近ではより早く1歳半検診で発見し、集団生活に入る前の早い段階からフォローしていこうという考えもあります。より早く気づくことにより、不必要に怒られたり、トラブルになることが少なくなり、やる気や自己肯定感が育ちにくくなることを防ぐためです。

しかし、必ずしも早く診断されることがいいとは言えません。親の中には、我が子が発達障害だと診断されたことにショックを受けて養育困難が強くなってしまう場合もありますし、診断されたくないので受診しないという選択をする人もいます。子ども自身や親が困っていないのであれば、それも考え方の一つです。

受診や相談を迷っている場合、発達障害かどうか?ではなくて、そもそも困っているか?ということを考えてみてはどうかと思います。例えば子ども自身が周囲になじめなくて生きづらさを感じていたり、親が我が子とのコミュニケーションに悩んでいたり、また子どもの周囲の人たちが困っていたり、そういう状況になったときには受診や相談を考えてみるのも一つの方法です。

診断を受けることで公的な補助なども含め、周囲からのサポートが得やすくなるということがあるからです。また、診断を受けたことでかえって気が楽になるという親もいます。「なんでうちの子は?」の「なんで」の部分が解決するからだと思います。

また、発達障害と診断された時も決して悲観する必要はありません。成長していく中で改善されるケースもあります。もちろん症状が残ることもありますが、苦手なことでも苦手なりに成長したり、それ以外のたくさんの経験で補えたりするようになることもあります。

まずは、今できることに目を向けてあげてほしいです。それは子ども自身が自分を認める自己肯定感にもつながります。親としては「できないこと」を注意したくなりますが、正直なところ、注意されたところでできるようにならないことが多いです。とても危険な行動でない限り、繰り返し注意をするのは疲れますし、親自身も精神的に追い込まれてしまいます。小さなことができたことを喜んでほめ、子どものやる気や協力を引き出した方が、子どもの発達を促すには労力少なく効果的です。

山口直人

心身障害児総合医療療育センター小児科・リハビリテーション科
小児科医師・国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)
療育センターを中心に発達障害や医療的ケアなど、さまざまな特徴がある子どもの暮らしや発達のサポートしている。

配信元

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「パパコミ」は、0歳~6歳の子どもをもつパパや、そんなパパたちを応援するママを対象にした情報サイトです。未来を担う子どもと、子育て中のパパ・ママを「元気」にできるよう、育児に役立つ情報を日々発信しています。
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