「主体」を変えて伝える
ただ、「仕事への口出し」は、相手への期待や、ハッパをかける意味もあるだろうけど…。
「本人としてはハッパをかけているつもりでも、言われたほうは『仕事がどれだけ大変かわかりもしないくせに』と思ってしまいます。期待の表れのつもりが、愚痴で終わってしまうんです」
また、相手の親に嫌なことを言われたときなど、ついグチをこぼしたくなることもあるだろう。だが、これも「主体」を変えて伝えるだけで、相手に与える印象がグンと変わると、岡野先生は言う。
「たとえば、『稼ぎが悪い』と言うのではなく、『あなたには力があるのに、会社は全然わかってない』と主体を会社に置き換える。お母さんのことを話すなら、『お母さんが〇〇って言うんだけど、私、嫌われているのかな』『私、何か失礼なことしちゃったかな』と、主体を自分に置き換えると良いんです」
正面からのグチやダメ出しは、ケンカにつながるだけで、相手を良い方向に変えることはできない。一緒に生きていく相手だからこそ、ストレートに思ったことをぶつけるのではなく、相手の心をプラスに動かす言葉を選んで使ってみては?
(田幸和歌子+ノオト)