チャイルドシートを助手席に設置するリスク
チャイルドシートの設置は法律で一部特例を除き、6歳未満の幼児が乗車する際には設置が義務付けられていますが、設置場所についての言及や規則はありません。
しかし、以下の3つのリスク観点から、助手席に設置すべきではないといわれているのです。
1)事故にあった際エアバッグの衝撃が危険
事故にあった際、エアバッグがものすごい勢いで開きますが、その際の衝撃は大人でもかなりのもの。この衝撃が子どもにとっては危険なのです。
特に助手席にチャイルドシートを設置すると、運転席よりも少し前に子どもが座る形となり、親からすれば運転しながら顔は見やすいのですがエアバッグとの距離が近くなり、より危険性が高まります。
2)よそ見から事故につながる
運転しながら思わず子どもの顔をじっと見てしまう。その時間も車は前に進んでおり、前方不注意の状況が増えるため、事故につながりやすいのです。
車の停止距離は、制動距離+空走距離の合計。ほんの数秒のよそ見でも車は何10mも進んでいます。
3)助手席は死亡率が高い
最近の車ではエアバッグも搭載されましたが、それでも助手席は後部座席や運転席よりも死亡率が高く、安全面ではおすすめできません。
運転に集中することを考えても、後部座席に設置しましょう。
助手席以外ではチャイルドシートの設置方法にも注意
ところで、時々、乳幼児を前向き、つまり、進行方向向きにしてチャイルドシートに座らせているドライバーを見かけることもありますが要注意。
乳幼児はまだ骨格や筋肉が発達しておらず柔らかいため、後頭部から背中にかけての広い面積で衝撃を吸収したほうが首への負担が少ないといわれています。
子どもが成長して首がきちんと座るまでは、前向き乗車は避けて後ろ向きに。あらためて、チャイルドシートの設置方法を再確認しましょう。
(文・団子坂ゆみ/考務店)