赤ちゃんもかぜひくの?
「生まれたばかりの赤ちゃんはかぜをひかないはず」と思ってはいませんか?
お母さんがプレゼントした抵抗力(母子免疫)のおかげで、赤ちゃんがかかりにくい病気もありますが、その免疫は徐々に低下します。
また、ほとんどのかぜの原因はウイルス感染ですが、その数は200種類以上もあるので、お母さん自身もすべての免疫を持ってはいません。
そのため、生まれたばかりの赤ちゃんでもかぜをひくことがあります。周りにかぜをひいている人がいれば、くしゃみ・せきでウイルスが飛び散り、赤ちゃんに感染しても不思議ではありません。

赤ちゃんのかぜ症状は?
主な症状は、くしゃみ、鼻水・鼻づまり、せきや発熱です。また、吐いたり、下痢をする「おなかのかぜ(感染性胃腸炎)」のこともあります。
特に生後3か月未満の赤ちゃんは、鼻呼吸にたよっているため、鼻水・鼻づまりだけでも息が苦しくなったり、おっぱいを飲めなくなったりします。
かぜ症状や熱の高さにこだわらず、「顔色・表情、機嫌、泣き声、哺乳の様子、息づかい」などの全身の様子もみましょう。

受診の目安になる症状
次のうち、ひとつでも気になる症状があれば、小児科受診をお勧めします
※受診のタイミング:医療機関の診療時間中、できれば午前中がいいでしょう。
●生後3か月未満で、38度以上の発熱がある
かぜとの区別が難しい”髄膜炎”、”尿路感染症”など重症の病気の可能性もあります。
●息苦しそう。せきや呼吸の様子がおかしい。せきのために眠れない
鼻づまり、呼吸が速い、オットセイの鳴き声のようなせき、ウーウーうなる、ゼイゼイ・ヒューヒューする、胸やおなかがペコペコくぼむ、鼻がヒクヒクする
●吐き気がある。何度も吐いた
●顔色が悪い。あやしても笑わない
●元気がない。ぐったりしている
●いつもに比べておっぱいを飲まない
いつも赤ちゃんのお世話をしている人の観察・注意は、大切です。何かいつもと様子が違うと思ったら受診しましょう。

受診のコツ
・熱、その他のかぜ症状だけでなく、哺乳量、おしっこの量・回数、便の状態や回数の記録は、とても参考になります。
・言葉では表現しにくいせきこみ、息づかいや発疹など、気になることは、スマホなどで録音・録画しておくと説明しやすく、診断の助けになります。
・不安なこと、疑問点は、あらかじめメモしておきましょう。
※育ログアプリの育児記録をぜひ活用してください

日本外来小児科学会は1991年に設立された学術団体です。
http://www.gairai-shounika.jp/