小規模保育施設、おうち保育園とは?

小規模保育施設、おうち保育園とは?

第2回 多様化する保育ニーズ、子育て支援の現状は?
2015年4月から「子ども・子育て支援新制度」が始まる。これは、多様化する保育ニーズに応える地域の子育て支援を広めようという取り組み。今まで認可保育園には「定員が20人以上」という基準が設けられていたが、6~19名を定員とする小規模な保育施設も認可に加わることになった。

でも、具体的にどんな施設があるのだろうか。今回はそのひとつの例として「おうち保育園」を紹介したい。

おうち保育園は、認定NPO法人フローレンスが運営している小規模保育施設。現在都内に13カ所展開している。0~2歳児を対象にしていて定員は9~12名。マンションの空き部屋などを利用して園舎にするため、待機児童が集中する都心部のニーズに対応しやすいのが特徴だ。施設に園庭はないが、地域の公園を利用して毎日遊ばせている。

おうち保育園では、子ども3人に対して保育スタッフひとりを配置。子ども一人ひとりにかけられる時間が長いため、目の行き届いた保育を受けることができる。今回取材した「おうち保育園ごたんだ」では、現在12名の園児が預けられている。先生たちが園児にまんべんなく声をかけているのが印象的だった。

「大規模なクラスの保育施設ですと、どうしてもコミュニケーションの取れない園児が出てきてしまいます。でも、ここでは深く園児と関わることができ、『第2のおうち』のようなイメージです。親御さんとの情報交換も密に行うため、卒園後も育児相談にくる家庭も多いんですよ」(おうち保育園事業部広報 小林愛子さん 以下同)

小規模保育施設、おうち保育園とは?

小規模保育はクラス編成がないため、異年齢交流ができるのも特徴だ。ほかの園児たちと兄弟のように仲良くでき、大家族のなかで過ごすような感覚と近いのだとか。

なお、おうち保育園のように0~2歳の保育施設に預ける場合、子が3歳になったときに次の預け場所が見つかるかどうかという不安要素がある。しかし、今年4月から小規模保育施設に在園していた子どもは連携施設に入れることになったので、次の保育施設への入園がスムーズになるそうだ。

「今のところ、当園では卒園後に次の保育施設に入れなかったということはないですね。それに、おうち保育園の保育が気に入って卒園後も通わせたい! といってくれる保護者の方も多くいらっしゃいます」

大型保育園とはまた違う魅力がある小規模保育。預け先のひとつの選択肢として考えてみてはいかがだろうか。
(石水典子+ノオト)