育児に疲れたママへ。疲れの原因や軽減する方法を紹介

第88回 みんなが共感!ママのお悩み
出産前は子育てに対して憧れを強く持つ人も多いでしょう。しかし実際は自由な時間を取ることが難しくなってしまい、子ども中心の生活に疲れていまうママも多くいます。子どもと過ごす限られた日々の中で、上手に負担を軽減してくれる方法を紹介します。

そもそも育児っていつまでの?

自分のための時間がなかなか作れない日々を過ごしていると、いつまでこの生活が続くのかと思う人もいるはずです。「子育ては一生」といわれていますが、親の手助けがある程度落ち着くのはいつごろなのでしょうか。

6歳の就学前までが育児

育児=子育てと思われ、親がこの世を旅立つときまでずっと続くと考えがちですが、実は意味が異なってきます。

三省堂の大辞林で「育児」というワードを引くと、「乳幼児を育てること」と定義されています。

乳幼児とは未就学児のことです。つまり育児とは、0〜6歳までの子育てのこととされ、期間が限られているものなのです。

育児を楽しむコツはある?

生まれたてのころは寝ているばかりで、眺めているだけで幸せいっぱいです。しかし行動が活発になってくると目が離せず、ママの自由な時間はほぼ無くなってしまい、精神的に疲れやすくなってきます。

では、どうしたら育児を楽しめるのでしょうか。育児を楽しむコツを紹介します。

子どもの小さな成長を見つける

仕事や勉強、趣味と違って、育児は結果というものをなかなか感じられません。なぜなら、育児は数値として見える化できないものだからです。

日々頑張っているのにその成果が見えにくいと、親といえども1人の人間なのでやる気が出にくくなってしまいます。そこで注目したいのが、子どもの成長です。

寝返りができた、ハイハイができた…という大きな成長ではなく、ほんの些細なことに目を向けます。

「昨日はこれができなかったのに、今日はちょっとだけこれができた」という小さな変化に気づければ、それが育児を楽しむことにもつながるでしょう。

育児はパパも一緒に

日本ではいまだに「男は外で仕事、女は家で家事と育児」という意識が強く、イクメンという言葉がありながらもパパが育児に積極的でない風潮があります。

成果が見えにくいことを1人で抱えて頑張っていると、ママの疲労や不満がたまるばかりです。どこか一部分だけでもパパができることで参加してもらったり、日々あったことを聞いてもらって共感したりしてもらえるようにすれば、心に余裕が持てるでしょう。

生まれてきた子どもはママだけの子どもではありません。パパとの間に生まれてきた2人の子どもです。育児もパパと協力して楽しみながら取り組みましょう。

子どもの「今」を楽しむ

大人になると、自ら様々なタスクを作りそれをひとつずつ処理するようになります。そのため、親になって子どもと過ごしていても、先の行動を考えながら動きがちです。

例えば、公園で一緒に遊んでいても、夕飯の支度が気になって「◯時までには帰らないと」と考えるママは多いでしょう。

確かに夕飯の支度をすることも大切ですが、もしスーパーなどでお惣菜を買ったり、出前を頼んだりしても大丈夫なのであれば、子どもとの「今」の時間を思い切り楽しむのもよしとしましょう。

効率よく物事を進めようとすると、様々なことに縛られてしまいます。タスクがこなししきれなければ、ストレスもたまりやすくなるでしょう。子どもは「先」ではなく「今」を楽しんでいます。親もそれに合わせて、今しかない瞬間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

それでも育児に疲れてしまう原因は?

育児だけでなく、何かをするときは前向きに楽しく取り組みたいものです。しかし頭ではポジティブになろうと考えていても、思うようにできないときはどのような状態なのでしょうか。

睡眠時間が足りない

とくに乳児期に悩まされるのが慢性的な睡眠不足です。

赤ちゃんはまとめて栄養を摂ることが難しく、生まれたてから生後半年くらいまではこまめに授乳をしなければいけません。栄養を与えるママはそれに合わせて自分のことや家事を回さないとならないため、まとまって眠る時間が取れないのです。

授乳回数が減っても、生後8カ月くらいから歯が生え始めたり、夜泣きが始まったりします。夜泣きは原因がわからず、何をしても1時間以上泣きっぱなしになるため、それに付き合う日々が続くと寝不足になってしまいます。

最初のうちは平気でも、これが毎日続くと体調に悪影響が出て、心まで疲れてしまうのです。

自由な時間がない

小さい子どもは、物事の善し悪しの区別や判別ができません。大人では絶対にあり得ないことを平気でやってしまうこともあります。

産前は自分の好きなタイミングでご飯を食べたり、トイレに行ったりできていたのに、子ども中心の生活が始まると基本的なことすら自由にできなくなります。

自分のやりたいことや、やらなければいけなかったことがほとんどできていないのに、気づいたら1日が終わっているということが育児中は日常茶飯事です。

子どもと家族のために動いてばかりで、自分のために使う時間が無いことに気づくと、自由な時間が欲しいと思うとともに、ストレスを感じることもあるでしょう。

近くに頼れる人がいない

一昔前の日本は、同じ家に子どもの祖父母、なかには親戚まで一緒に暮らすというスタイルでした。

しかし、現代では核家族化が進み夫婦それぞれの両親が遠方で、子どもを気軽に預けられる環境がない家庭も多いでしょう。また、勤勉なワークスタイルが主流の日本においては、夫の帰宅が遅く平日はほぼワンオペ育児になってしまうのが問題となっています。

専業であっても仕事を継続していても、ママが1人で育児の負担を背負うことが多いようです。

会話が通じずなかなか思い通りにいかない育児を日々こなし、休む時間も取れないとどんどん疲労がたまり、やがてつらいと感じるようになります。周りにすぐ頼れる人がいない環境は、疲れに加えて孤独感も強くさせてしまうのです。

育児の疲れを軽減する方法

限られた期間とはいえ、ずっと同じような状態が続くと疲れてしまいます。ストレスをため込まないよう、上手く息抜きをすることが大切です。完全に解決できなくても、少しでも心を軽くするための方法を紹介します。

完璧を求めない

日本人は何かと周りの評価を気にしていまい、家事や育児をきちんとこなそうとする人が多いようです。育児が少しでも上手くいかないと感じると、それがストレスとなってしまいます。

仕事などと違って「思い通りに進まない!」と感じやすいですが、冷静に考えると育児は自分とは別の人格と関わりながら行う作業です。思い通りにならないのは当たり前かもしれません。

例えば、掃除を済ませたくても子どもにかかりきりでできないとき、「自分は時間の使い方が下手だ」と考えてしまう人もいるでしょう。「読み書きを覚えさせなきゃ」と思って勉強させても、子どもができなかったときは「親の教え方が悪いのでは」と自分を責めてしまうかもしれません。

家事がすべてこなせなくても、子どもがその日1日無事で過ごせたことが何よりも大切です。また、子どもは自分が納得すると、ある日突然できるようになることもよくあります。「〇〇しなきゃ」という思いを少し軽くできると、心が疲れにくくなるはずです。

家族や友だちとおしゃべりする

言葉が通じない子どもとだけ過ごし、大人との会話が減って日々のちょっとしたことが言えなかったり、悩みを聞いてもらえなかったりすると心の疲労がたまってしまいます。

何かを手伝ってもらえなくても、自分のつらいと感じることを聞いてもらって共感してもらえると、その負担が少しだけ軽くなるものです。

話ができる相手と楽しくおしゃべりをすることで、ストレスの軽減につながります。家族や心許せる友人と会話する機会を定期的に作るようにしましょう。直接会うのが難しい場合は、LINEなどのSNSツールや、テレビ電話などでもOKです。

悩みをため込まず、心の内を吐き出す機会を設けるようにしましょう。

甘いケーキや好きなお菓子を食べる

甘いものを食べると元気になる、という人も多いのではないでしょうか。疲れを感じたときには、甘いケーキや自分の好きなスイーツを、日々のご褒美として取り入れるのもおすすめです。

子どもが幼稚園や学校に行っている間や、眠っていて静かなときに、こっそりと1人で楽しんでしまいましょう。こういうちょっとした楽しみがあると、また頑張ろうと思えるようになります。

ママが1人になれる時間も作ろう

子どもと四六時中一緒だと時々窮屈さを感じることがあります。育児中は専業主婦も兼業主婦も24時間態勢で動いているので、休息が必要です。ここからは、育児から少し離れてゆっくりできる「おひとりさま時間」の作り方を紹介します。

夫や祖父母に協力してもらう

どんなに子どものことが大切でも、ずっと一緒で自分の時間が持てないとママもストレスを感じやすいものです。子どもと離れるのが不安に感じるママもいるかもしれませんが、身体も心も疲れていているときは、1人になってリセットする時間を作りましょう

平日仕事で家を空けているパパや、同居をしている、または近くに住んでいる子どもの祖父母に預けて「おひとりさま時間」を満喫するのです。短い時間でも、自分のために時間を使えることで気持ちが明るくなります。

また子どもと過ごす時間がいつも取れないパパも、子どもの成長を感じたり、日々ママがどれだけ大変なのかを身をもって理解したりできるよい機会にもなるはずです。

かわいい孫と過ごせるので、おじいちゃんおばあちゃんにとっても楽しいひとときになるでしょう。

一時預かりサービスを利用する

どちらの両親も遠方に住んでいて、パパも仕事で忙しく休みにくいときに「おひとりさま時間を作らないと限界!」と感じたら、住んでいる地域の育児サポートを調べてみましょう。

子育て支援を行う施設や、保育園で行っている一時預かりのサービスは、専業主婦のママでも利用が可能です。

預けるときに子どもが泣いてしまうこともありますが、これまで家族とだけしか過ごしていなかった子どもにとっては、同年代の友だちとふれあうよい機会にもなります。

知らない人に子どもを預けるのが不安というママもいるかもしれませんが、預け先には保育のプロフェッショナルがそろっているので、安心してお任せしましょう。

ベビーシッターに預ける

一時預かりは事前の予約が必須なうえ、申し込むママも多いので、希望するときに保育をお願いできない場合もあります。そんなときは、民間などでも行っているベビーシッターのサービスを活用してみましょう。

預かり施設と違って自宅で見てもらえるので、場所見知りしやすい子どもにはぴったりです。また、他の人による育児の様子を見られる絶好のチャンスでもあります。少し早めに帰宅してお世話の様子を見てみると、ママの育児スキルが上がるかもしれませんね。

紹介サービスなどを通して依頼したり、個人的に契約したりと様々ですが、預ける前には事前に面談をしておきましょう。はじめましてでいきなり長時間預けるのは、関わるすべての人が不安を感じやすいものです。

どんな風に過ごしてほしいかなどママの要望をしっかりと伝え、また子どもが何が好きかなどもあらかじめ伝えておくことで、お互い気持ちよくその日を迎えられます。

まとめ

子どもと過ごす育児期間は、終わってしまうとあっという間に感じます。しかし育児の最中にはそんな風に考える余裕もないため、時々つらく感じてしまうママもいるでしょう。

できる限りポジティブに笑顔で過ごせるように、周りの力を借りて時に休息を取ることで、育児期間がかけがえのない思い出となるはずです。