断捨離しすぎて後悔する人多し。必要なものを捨てないためのコツは?

第90回 みんなが共感!ママのお悩み
増えてしまった家のものをスッキリさせるために「断捨離」をすると、晴れ晴れとした気持ちになります。しかし、数日過ごすと「捨てなければよかった」と後悔することもあるかもしれません。そうならないための対処法を紹介します。

ただ捨てるだけが断捨離じゃない

2010年度の「流行語大賞」にノミネートされたことで、世間的にもよく使われるようになった「断捨離(だんしゃり)」ですが、その本来の意味を知っている人はどのくらいいるのでしょうか?片づけを行うことで、得られる効果もあわせて解説します。

本来の意味

断捨離というワードを聞くと、ほとんどの人が「モノを捨てること」を連想します。しかし本来は、「物を持つことへの意識を改革する」考え方です。

断捨離という漢字には、1文字ずつにそれぞれ意味が込められています。

・断=不要なモノを断つ(入れない)
・捨=不要なモノを手放す(処分する)
・離=モノへの執着心(物欲)から意識を解放する

ただ捨てたりなくしたりするのではなく、モノへ固執する機会を減らし、生活するのに必要最低限の量だけで身軽に暮らすことをめざすのが目的です。

断捨離して後悔しがちなもの4つ

断捨離を行い整理された空間を見ると、達成感が得られます。しかし、それまでは気にとめず眠らせていたものでも、なくなってしまうと少なからず喪失感もあるでしょう。

「捨てなければよかった…」と思うことも珍しくありません。よくある後悔しがちなアイテムを紹介します。

手帳

近年はスマホやアプリなどでスケジュールや連絡先の管理を行うため、紙の手帳を必要とする人は少なくなってきています。現在の生活スタイルでは使う機会がないため、過去につけていた分も思い切って捨ててしまいがちです。

過去の記録や書き記していた連絡先などをすべてデータ化して残せていれば困ることは少ないですが、手帳にしか残していない情報は消えてなくなってしまいます。

また、過去の思い出を日記などで手帳に書き込んでいたのに処分してしまうと、「そのときどうしていたのか」などを思い返すことも難しくなるでしょう。

アルバム

片づけの勢いに任せて、古くなり見返す機会もなくなったアルバムや写真を処分してしまう人もいます。近年は写真をデータで残せることから、昔に比べると現像することも少なく、アナログなものが不要に感じやすい傾向です。

しかし、過去の思い出を突然ふと見返したくなったとき、なくなってしまった記録は手元にありません。大量にある写真を整理するのはよいことですが、捨てる前にしっかり見直して、本当に捨ててよいのか確認しましょう。

現物のまま残すのが好ましくないのであれば、「フィルムがなくても写真をスキャンしてデータとして残せるサービス」があるため利用してはいかがでしょうか?

本棚を占領し日焼けで黄ばんだ本は、スッキリしたいと思ったときに見ると、処分の対象になりやすいアイテムです。電子書籍の普及から紙の書籍を手に取らない人も増えており、昔ながらの分厚い本は邪魔に感じることもあります。

しかし、データ化し公開されている古い書物はたくさんありますが、必ずしも世に出回っている作品が残っているわけではありません。

なかには絶版でもう二度と手に取れない本もあるため、捨てる前に「この先読まないかどうか」や「思い出が色濃く残っていないか」を、しっかりと考えて仕分けしましょう。

衣類

ファッションには季節ごと・年ごとに流行があり、トレンド感のない衣類は処分されやすいものの筆頭です。また、年齢を重ね、体型の変化によって着られなくなると「もういらない」と感じることもあります。

しかし、また新しい服を買ったとき、気づくと捨てた服と似たようなデザインを購入していることも少なくありません。それでは、断捨離した意味がなくなってしまいます。

もう着ないかもと思っても、「ワンシーズンは取っておく」ようにしましょう。サイズアウトしてしまったものは、ダイエットのモチベーションアップのアイテムとして残しておくと邪魔に感じません。

整理するときは、「シーズンオフのものは着手しない」ようにしましょう。夏の時期に長袖のものを処分すると、涼しくなってから着られるものがなくなり困ってしまうことがあります。

後悔しないためのコツ

整理を一度始めると、どんどん気分が乗って色んなものを処分したくなります。そのときはスッキリとした気持ちになりますが、後々「捨てなければよかった」と思うことも少なくありません。後悔しない断捨離をするにはどうしたらよいでしょうか?

小さな範囲から順番に始める

部屋のごちゃごちゃを片づけたいからといって、いきなり大物から処分してしまうと後悔しやすいでしょう。モノをためがちな人は整理するのが苦手なことも多いため、まずは「身の回りの仕分けが簡単なところやモノ」を断捨離していきます。

たとえば、日々使うカバンや財布などが不要なものにあふれてパンパンになっていたら、そこから挑戦です。次に、引き出しや棚などの中を見返しましょう。絶対に使わないものや明らかにゴミとわかるもの、消費期限が過ぎているものを処分します。

片づけに慣れてきたら、今度は「一部の部屋」だけを片づけてみましょう。こうして、段階を経て整理するクセを身につけていくことで、断捨離につなげていきます。

作業時間を決める

軌道に乗り始めると、人は時間を忘れやて熱中するものです。しかし、長時間作業していると集中が切れやすく、判断も鈍りやすくなります。「本当は捨てなくてもよかったもの」まで処分してしまうかもしれません。

家中の不用品を整理することは、丸1日使っても終わらない大仕事になることも珍しくありません。「今日は◯時から◯時まで」と、時間を決めてから行いましょう。

そうすることで、元々収まっていたものまで引っ張り出してしまって、結果的に足の踏み場がなくなるという事態も防げます。一気に進めるよりも、少しずつ積み重ねをすることで、部屋をきれいに保とうとする意識も生まれます。

思い出の品はじっくり考える

大多数の人には、「思い出の品」が少なからずあります。学生時代の写真や授業中にやりとりした手紙、サイズアウトした赤ちゃん服などです。日常生活においてはまったく不要でも捨てにくいものは、「思い出ボックス」などに一度まとめましょう。

見返すことで心が温かくなり、気持ちを前向きにしてくれることもあるため「使わなくても残しておくべきもの」はあるはずです。

処分してしまう前に、一度深呼吸などをして落ち着いて考え、それでも「いらない」と思ったり「なくても心が揺るがない」と感じたりしたら、不要なものとして扱います。

断捨離をスムーズに進める方法

身の回りの空間の片づけが習慣化して定着してきたら、本格的な断捨離に挑戦です。後悔することなく効率的に片づけを行って、たまってしまった不要なものを処分するための方法を紹介します。

いったん全部出す

ひとつずつ見ながら整理すると、その都度「捨てるか捨てないか」を考えなければならず、思いの外時間がかかります。整理する場所を決めたら、「その空間にあるものをすべて出す」ところから始めるのがおすすめです。

収納ケースから出してみて、「こんなものもあったのか」と気づくアイテムもなかにはあるはずです。これから片づけるものは何があるのかを把握しておくと、仕分けも効率よく始められます。

仕分ける

整理したいスペースのものを全部見えるところへ出しきったら、ダンボールなどを複数用意して「不要」か「そうでないか」の仕分けをしましょう。

「いるもの」と「いらないもの」の2択だけだと、もしかしたら必要かもしれないもの整理に困るかもしれません。

「2択だったから捨ててしまった…」と後悔しないためにも、「検討」または「保留」といった名目の選択肢も作りましょう。

不要品を処分する

「いらないもの」に該当したアイテムは残しておくとまた迷いも生じやすいため、なるべくすぐに処分します。ただし、この段階で迷いがあるものは、いったん保留にして捨てるのは次回にしてもOKです。

不要なものはゴミとして出すことがほとんどのため、住んでいる自治体のルールやマナーの確認を忘れずにしておきましょう。

捨てるものによっては部品の買い替えができたり、捨てるだけでなくフリマサイトで売ればお金になったりする可能性もあります。断捨離を行う前に、リサーチしておくのもおすすめです。

まとめ

いつの間にかたまってしまったいらないものは、処分することによって空間がスッキリして心も自然と軽くなります。

また、「自分にとって必要なものとは何か」ということを改めて考える、よい機会を与えてくれるはずです。後悔することなく不要なものを手放して、家も気持ちも新鮮な風通しが行える断捨離をしましょう。