上の子に言ったら×なこと、◎なこと

上の子に言ったら×なこと、◎なこと

第4回 二人目を授かったら、上の子のケアはどうすれば?
二人目が産まれ、上の子が「下の子にママをとられるかも」と精神的に不安定になるケースは珍しくない。上の子のケアについて"東ちひろマザーズセラピー"主宰の子育てコーチ・東(ひがし)ちひろさんに話を聞いた。

「下の子の出産後、ママは上の子の世話をしながら乳飲み子を抱え、超多忙です。余裕がなくなり、上の子が思うように動いてくれなくて、つい叱ってしまうこともあるでしょう。でも、その時に言ってはいけないのは『お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから』『もう○歳なんだから』というワード。上の子は理不尽さと不公平感を感じてしまいます」

ただし、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)」という言葉自体が悪いのではない。ママのお手伝いをしてくれたら「さすがお兄ちゃんだね!」と、ポジティブなシーンで使うのはOKだ。

では、上の子が下の子に対して嫉妬を感じたり、寂しがったりしないようにするためにはどのようなケアが有効なのか。

上の子が下の子に対して嫉妬を感じたり、寂しがったりしないようにするためにはどのようなケアが有効なのかを解説。

「ママが上の子とだけの時間をとってあげるのが理想的ですが、現実的にはなかなか難しいもの。例えば朝起きたとき、10秒だけでも『○○ちゃん、おはよう!』と名前を呼んで抱きしめてあげたり、頭を撫でてあげたりしましょう。下の子は授乳やおむつ替えなどのタイミングでママとのスキンシップは十分とれています。上の子とのスキンシップを意識することが大切です」

また、例えば上の子が帰宅して手を洗っていたら「あ、手を洗ったんだね」、おもちゃで遊んでいたら「遊んでいるんだね~」などとママが“実況中継”をするだけでも上の子のメンタルは安定する。ママが自分のことをしっかり見てくれている、という安心感につながるのだ。

「下の子との差が1~2歳差程度なら、世話は大変でも、上の子とママが過ごす時間が長いので、かまってあげる機会も作りやすい。一方、3~4歳差となると、上の子が幼稚園などに通っていることが多く、ママと過ごす時間が短いために上の子が我慢を強いられがちです。せめて家にいるときは話を聞いてあげて“あなたのことをちゃんと見ているよ”ということを伝えましょう」

そして何よりも大切なのがママのメンタル。無理をして頑張りすぎると疲れてしまい、育児にも悪影響が生じる。「できる範囲で、短い時間でもケアができればOK」と考え、“数秒ケア”や“実況中継”をうまく活用しよう。
(北東由宇+ノオト)

お話をお聞きした人

東ちひろ
東ちひろ
一般社団法人.子育て心理学.協会 代表理事
幼稚園講師、小学校教諭、中学校相談員、教育委員会勤務を経て、子育て心理学.協会代表理事に。心理学とコーチングを用いた独自の手法で2万件以上の育児相談に対応。
幼稚園講師、小学校教諭、中学校相談員、教育委員会勤務を経て、子育て心理学.協会代表理事に。心理学とコーチングを用いた独自の手法で2万件以上の育児相談に対応。