アレルギーを持つ子の友だちへのおやつ問題

アレルギーを持つ子の友だちへのおやつ問題

第4回 子育てのこんな時どうすべき? Q&A
子育てをしていると、子どもたちが友だち同士で家を行き来する機会がだんだん増えるもの。幼稚園までは、親同伴で訪問することが多いものの、小学生からは子どもが単独で行動するようになります。そんなとき、もし“食物アレルギーのお子さんが遊びにきたら、3時のおやつはどうすべき?”でしょうか?

『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者・立石美津子さんは、こう話します。

「最近では、食物アレルギーの子どものために卵や牛乳を使用していないクッキーなど、たくさんのお菓子が売られています。でも、卵や牛乳を使っていないお菓子は、食べ慣れない子にとってはあまり美味しいと思えるものではありません。アレルギーの子に周りの子が合わせるのもなかなか難しいですね。ましてや、アレルギーの子が遊びに来るかもしれないと、いつもその子用のお菓子を用意するのもやはり大変です」

こんなとき、アレルギーの正確な知識がない人があれこれ考えるよりも、アレルギーのお子さんを守るための知識をきちんと持っている親御さんに任せたほうがいいという。

「その子の親御さんとある程度気心知れた間柄になったら“何かあると大変だから、○○ちゃん用のお菓子を自分で持ってきてね”と言ってみてはいかがでしょうか? その方が、互いに要らぬ気を遣わずに、その子に合ったお菓子を楽しむことができます」(立石さん 以下同)

アレルギーを持つ子の友達のおやつ問題

●アレルギーを持つ子へのおやつは、親御さんに必ず確認を

子どもによって、アレルギーの症状や反応するモノなどは違うもの。だからこそ、勝手な判断は危険だという。

「例えば、アレルギーのお子さんが来るからと、こちらで用意したアレルギー児用のお菓子を食べさせて、万が一その選び方が間違っていたら? 例えばピーナッツアレルギーだからとこれが入っていないクッキーを与えても工場で同じ製造ラインで作っているだけで反応することもあります。重症の場合は死に至ることもあり何かあってからでは遅いのです。また、アレルギーのお子さんが“このお菓子なら食べられる”と言ったからと、アレルギー対応でないお菓子を食べさせてしまい、症状が出てしまう場合もありえます。勝手な判断をすべきではありません。もし、“これなら食べられる”とお子さんが言ったとしても、その子の親御さんに連絡してちゃんと確認をとってからということを徹底しましょう!」

まずは、アレルギーの子の安全を確保することが最優先。こちら判断で行動せず、その子の親御さんときちんと連携をとって楽しいおやつタイムにしてあげましょう!
(構成・文/横田裕美子)

お話をうかがった人

立石美津子
立石美津子
子育て本作家・講演家
幼稚園・小学校向け課外教室「エンピツらんど」の創業者。現在も0歳~小学校低学年の子ども達と触れ合いながら執筆、講演活動に奔走。自らは自閉症児を育てる母親。
幼稚園・小学校向け課外教室「エンピツらんど」の創業者。現在も0歳~小学校低学年の子ども達と触れ合いながら執筆、講演活動に奔走。自らは自閉症児を育てる母親。