わが子の重大な病気を見逃さない心得

わが子の重大な病気を見逃さない心得

第1回 子どもの重大な病気のサインに気づこう
子育てがはじまると、わが子の体調の異変に右往左往することもしばしば。しかし、子の成長とともに発熱、頭痛、下痢、嘔吐、咳、腹痛、発疹など、起こる症状もさまざまなだけに、だんだん親も慣れていき、あまり深刻にとらえず。さらに、兄妹が生まれて下の子に手がかかるようになると“大丈夫よ”と、つい放置してしまいがち。でも、お子さんのそうしたよくある症状が、実は重大な病気のサインの可能性もあるんです。

「お子さんの重大な病気を見逃さないために重要なことは、何より親御さんをはじめとする身近な人の日ごろの“観察力”なんです」

そう話すのは、松村医院・院長の松村真司先生。つまり、病院のお医者さんにお子さんの体調についての正しい情報を、どれだけ細かく伝えられるかがポイントだという。

「医師は、患者さんをパッと診たときに、現在の症状は把握できますが、それだけですべてを把握することは不可能です。やはり、日々お子さんの変化をみている親御さんが“何かおかしい!”“いつもと違う”と思う場合は、その感覚を最優先するべき。つまり、親御さんに心がけていただきたいのは、日ごろからお子さんをよく観察し、何か症状があった場合は、いつから、どのように、他にはこんな症状があった…といった情報を細かく医師に伝えることです」

そういった情報を手掛かりに、医師は重大な病気の可能性を疑っていくという。そのアラートを鳴らすのが親御さんの大切な役割だと、松村先生は話します。

「“この症状はいつからですか?”と聞いても、答えられない親御さんは意外と多いんです。例えば、“下痢なんです”と、“こんな下痢が1週間続いているんです”では、まったく違いますね。正確な情報を手掛かりにさぐっていくことが、重大な病気の早期発見につながります。お子さんの症状のほとんどは自然治癒するものが多いですが、なかには重大な病気のサインであるものもあるので、発見が遅れないためにも、日々お子さんの体調管理をできるだけ把握するように心がけてください」

診察を受ける親子

●症状が続く場合は、症状の重さに関わらず受診を!

普段からよくある症状であっても、その症状が長く続く場合は、病院で受診するべきという。

「親御さんが“いつもと違う!”と心配に思ったら、とりあえず病院に行くことも大事。もちろん、一時的な軽い症状の場合は、しばらく様子をみても問題はありません。ただし、基本的には、発熱、腹痛、嘔吐、下痢、咳などの症状が軽くても3週間続いたら、たとえ1度受診していたとしても、再度受診しましょう。というのも、ウィルス性のものの場合、2~3週間で快方に向かうはずなんですね。3週間過ぎてもずっと続くような場合は重大な病気の疑いもあるので、注意してください。なかには、『小児がん』のように長期間かけてじわじわと症状が悪化していくケースや、『膠原病』などのように“よくなったり悪くなったり”を繰り返すケースもあります」

また、わが子が高熱を出すとつい親は慌ててしまいがちだが、高熱だけの場合は問題ないことが多いそう。

「高熱が出ていても、本人が元気で起きていられて、食欲もあって、便や尿に異常がない場合は、とりあえず様子をみても心配のないことが多いです。逆に、元気がない、食欲がない、腹痛、嘔吐、発疹があるなどの症状がある場合は、必ず受診してください。また、意識がない、脱水症状を起こしているという場合は、緊急を要しますのですぐに病院へ行ってください。乳幼児の場合は症状をきちんと訴えられないからこそ、また思春期など年ごろの子の場合は症状をなかなか言わなくなるからこそ、親御さんの“観察力”を大切にしてください」

重大な病気を見逃さないためにも、日ごろからお子さんとのコミュニケ―ションをなるべく心がけ、体調管理をしっかりしてあげましょう!
(構成・文/横田裕美子)

お話をうかがった人

松村真司
松村真司
松村医院 院長(医学博士)
総合診療とプライマリケアを専門としながら、 内科・小児科を中心に乳幼児から高齢者 までほぼ24時間体制で地域の患者さ んの健康を見守る。校医や東京大学・東 京医科歯科大学臨床教授などもつとめる。
総合診療とプライマリケアを専門としながら、 内科・小児科を中心に乳幼児から高齢者 までほぼ24時間体制で地域の患者さ んの健康を見守る。校医や東京大学・東 京医科歯科大学臨床教授などもつとめる。