自覚が難しい実家べったりの状況を改善する方法

第3回 「実家べったり妻」は夫婦関係の危機を呼ぶ?
家庭をおろそかにして実家に入り浸り、離婚の危機さえ招いてしまう「実家依存症妻」。実家と上手に距離を取る方法を、HaRuカウンセリングオフィス代表の高草木陽光(たかくさぎ・はるみ)さんに聞いた。

●まずは自覚することが、解決への第一歩

「『実家依存症』は自覚が難しいのが特徴。まずは自分で『実家にべったりしているのは不自然なことだ』と気づくことが先決です。逆に、気づくことができたらチャンスだと思いましょう」
(高草木さん 以下同)

「実家依存症妻」には、母親に「ああしなさい、こうしなさい」と言われ、受け入れながらも、抑圧されている苦しみを感じている人が多いという。その違和感を自問自答につなげることが一歩を踏み出すきっかけとなる。実家に依存していた自分を認め、親離れの決心をすることが最初のステップだ。

家族のクレイアート

●思いを言葉にする習慣をつけよう

「自分が実家依存症だと気づいても、長年の関係を変えるのは容易ではありません。いきなり実家通いを止めても、不安や葛藤で苦しみが増します。まずは、自分の気持ちを言葉にする訓練から始めましょう」

「実家依存症妻」は、決断力がなく、すべて母親まかせにする癖がついている。そこで、夫や子どもに「夕食は魚が食べたいな」など、小さなことに対して自分の希望や意思を言葉にする習慣をつけよう。思いを言葉にするうちに、自分の本当の気持ちを表すことができるようになるのだ。

「母親に何か意見を言われたら『お母さんの意見は聞いたから、夫と相談してみるね』と返す勇気をもちましょう。共依存関係なので、母親も戸惑うでしょうが、『自立したい』という気持ちをしっかり持つことが大切です」

そして、夫に実家依存症を打ち明けて理解をしてもらうのがベスト。うまくまとめられなくてもいいので、自分の気持ちを話して、ひとりで抱え込まないようにしよう。夫の協力が見込めない状況であれば、友人や専門家に相談するのもよい。

「まずは自分の家庭環境をよくすることに焦点をあてましょう。家庭がうまくいってなかったら、結局実家に頼って、逆戻りしてしまいます。そうして少しずつ実家に行く回数を減らすなどして、上手に距離をとれるようになるのが理想的です」

甘くみていると、離婚にまで至る危険がある実家依存症。自分の心と向き合うことで、明るい未来への新たな一歩を踏み出そう。
(ノオト+北東由宇)

お話をお聞きした人

高草木陽光
高草木陽光
HaRuカウンセリングオフィス
夫婦問題カウンセラー。これまでのカウンセリング件数は70000件以上。浮気や離婚問題、夫婦関係修復など、あらゆる問題を早期解決に導くプロフェッショナル。
夫婦問題カウンセラー。これまでのカウンセリング件数は70000件以上。浮気や離婚問題、夫婦関係修復など、あらゆる問題を早期解決に導くプロフェッショナル。