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産後ママに花を/ニコライ バーグマンさん(インタビューvol.1)

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ニコライ バーグマンさんのインタビュー企画第一弾をお届けします。

日本で最も活躍するフラワーアーティスト、ニコライ バーグマンさん。箱の中に花の世界を表現した「フラワーボックス」を考案するなど、世界のフラワー業界に新風を吹かせ続けてきました。そして今、ニコライさんが提案するのは、ママとべビーに贈る「親子ブーケ」です。祖国デンマークに伝わる愛情深いこの習慣を、日本でも広めたいと考えているそうです。第1弾の今回は、親子ブーケやニコライさんが考える花の美しさについて話を伺いました。

デンマークでは誰もが贈る「親子ブーケ」


Q・「親子ブーケ」はデンマークの出産祝いとして根付いている文化だそうですね。


A・そうですね、僕が育ってきたデンマークでは誰でも知っています。大きいブーケと小さいブーケがリボンでつながったものを「親子ブーケ」と呼んでいます。2つのブーケをつなぐリボンは、お母さんと子どもの絆、繋がりを表現しています。


誰から誰へ贈るもの、と決まっているわけではないんですけど、子どもが生まれたときに、パートナーが病院へ持って行ったり、近い家族や友人がおうちに届けたりする出産のお祝いです。街のフラワーショップで、みんなが普通にオーダーしますよ。僕がデンマークでフラワーショップをやっていたころ、たくさんオーダーを受けました。アレンジメントやブーケと同じくらいメジャーなものですね。サイズや価格は様々で2〜3輪のベビー用ブーケとママ用ブーケをリボンで繋ぐこともあります。普通のフラワーショップでは女の子はピンク、男の子はブルーのリボンを使うことが習慣として多いですね。

ママが好きな花を。愛を伝えるかわいらしいギフト


Q・素敵な文化ですね。ぜひ日本のママたちにも受け取ってもらいたいですね。


A・とってもかわいいギフトでしょう! 贈る意味合いも深くてかわいらしいし、愛を伝えるツールの一つでもありますよね。日本で花の仕事を始めた時からずっと「デンマークでは親子ブーケは当たり前なのに……」って感じていました。この習慣が日本にも広まったら素敵ですよね。たくさんの人に親子ブーケの存在を知ってもらいたいです。


Q・親子ブーケでの花選びで大切なことって何ですか。


A・お母さんの好きな花を選んであげることが大切です。出産で一番がんばったのはお母さんですから。そういう意味でも価値あるギフトだと思っています。出産祝いというと、子どものための洋服や物を贈ることが多いですけど、親子ブーケはお母さんと子ども、両方のことを考えて贈ります。


色については子どもの性別によってブルー、ピンクが基本となりますけど、白×グリーンとか、オレンジ×黄色っていうのもよくあります。それから、お母さんと子どもを表現する大きいブーケと小さいブーケを置いた瞬間のかわいらしさやバランスも、大切にしたいですね。


Q・デンマークと日本では、花に対する文化の違いはありますか。もっと花が身近な存在なのでしょうか。


A・そうですね。でも日本の女性も花好きの方が多いと感じています。ただ、ヨーロッパに比べると、花をギフトとしてもらう機会はそこまで多くないようですね。日本では「花=特別なギフト」という感覚が強いです。また生け花の文化がありますが、花を「丁寧に扱う」という特別な感覚がありますよね。木曜、金曜の週末、「自分に買って帰ろう」という習慣はあまりないように思います。デンマークでは花はもっと身近な存在で、「週末、自分のために買って帰ろう」って気軽に買って行く人が大勢います。バラ10本、チューリップ10本といった季節の花が、スーパーやガソリンスタンドでさり気なく売っているほどなんですよ。

「花は枯れて散るまで飾って」命の美しさを見届ける


Q・暮らしの中にほんの少しでも生花があると、精神的にも落ち着きますね。


A・生きてる花って、いろんな変化を見せてくれるんです。飾ったばかりのときは新鮮な驚きと感動があって、香りも感じさせてくれます。そして少しずつ枯れていって、花びらが落ちる。その瞬間がすごく美しいって僕は思うんです。それは生きているからこその変化です。プリザーブドフラワーも素敵ですが、生花は特別です。一番フレッシュなところから、枯れゆくまでのストーリーが美しい。


Q・枯れゆくまでを見届ける、まさに命のストーリーですね。


A・そうです。枯れ始めたらすぐ捨ててしまいがちなんですが、ぜひ最後まで見届けてほしいですね。「『もういいかな』と思ったところから、もう5日間待って欲しい」って生徒さんにもよく話すんですよ。実は花って、とってもきれいに散るんです。枯れ方がとても素敵なんです。チューリップは最後の最後がすごく素敵で。花粉の部分がとってもきれい。夏は芍薬ですね。芍薬の花がふわっと咲ききって、花びらが落ち始めるところが美しい。落ちた花びらは、すぐ掃除するんじゃなくて、花びらが落ちたまんま枯れていく姿を見守ってもらいたい。バラも中の芯、種の部分がとってもきれいです。おうちに花を飾ると、そういうところまで楽しめます。それがまた、家族の会話となっていくんですよね。花を迎えた時の感動から、最後は「捨てるのがもったいないね」というところまで。何気ない会話のやり取りが生まれます。自然について話をしていると、癒されるんですよね。


花は枯れるまでが美しい。ニコライさんの独自の美学にうっとりしちゃいますね。デンマークでは「当たり前の文化」だという親子ブーケ。花の贈り物はママの心にどんな栄養を与えてくれるのでしょう。次回はニコライさんご自身の親子ブーケの思い出についても掘り下げます!

ニコライ バーグマン氏 プロフィール

デンマーク出身。スカンジナビアンスタイルのセンスと細部にこだわる日本の感性をフラワーデザインに融合させたユニークな作品を発表し続けている。その活動の幅は広く、フラワーデザインをはじめ、ファッションやデザインの分野でも世界有数の企業と共同デザインプロジェクトを手がける。自身で考案したフラワーボックスは、フラワーギフトの定番として広く認知されている。国内外に12店舗のフラワーブティック、3つのカフェ、ジュエリーブランド「NATUR & NICOLAIBERGMANN」を展開している。今年、2018年3月29日(木)~4月1日(日)の「Nicolai Bergmann HANAMI2050 – 花を愛で、未来を想う- in Dazaifu Tenmangu」では3回目となる福岡・太宰府天満宮でのフラワーアート展覧会を開催し、4日間で2万人以上の来場と大盛況のうちに幕を閉じる。


著者:大楽眞衣子(だいらく・まいこ)

新聞記者出身のフリーライター。専業主婦経験を生かし、女性の生き方、働き方などをテーマに各媒体で執筆。Iターンの地方暮らし。農業や漁業の取材、絵本の原作も手掛ける。男の子3人を子育て中。花と昆虫が好き。

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