“友だち親子”っていいの? 悪いの?

第2回 親子共依存にならないために…友だち親子の是非を問う!
最近では、娘のみならず、息子までもが母親とぴったり寄り添って歩く光景が…。時に友だちに、恋人にも見える親子関係…これっていいの? 悪いの? 「原宿カウンセリングセンター」所長で臨床心理士の信田さよ子氏に分析してもらった。

●自立するのを待つのではなく、親から手放す

「そもそも親子で友だちになることはありえません。世代が違い過ぎると友だち関係は成立しませんので、子離れしなくて済むための、親にとって都合がいい“まやかしの言葉”だと思います。夫婦関係の崩壊を防ぐために、子どもをペット化し、子どもは友だちと遊びたいのに親の都合で連れ回したり、家族がまとまるための道具にしたり…。そのうち子どもは“私がいないとお母さんはダメなんだ”と思うようになり、一生親を支えなければという呪縛にとり憑かれてしまうこともありえます。子どもが母を支えるのではなく、夫が妻を支えるべきなのです。息子や娘を解放してあげましょう」(信田氏。以下同。)

中学生になった子どもが、平気で親とお風呂に入ったり、一緒に寝たりする現象が増えていることに、首を傾げる信田氏。

「いくら仲が良くても、あまりお勧めできませんね。日本では、添い寝の文化があるので許されていますが、欧米ではありえない事態です。子どもも”それでいいんだ”と思うようになれば、自立が遅れる可能性が大きいでしょう。ここでぜひとも、お母様方に知っておいて欲しいのが、“子どもは、放っておけば自立するものではない”ということ。親のほうから手放し、距離を作らないと、子どもからは出て行ってくれないものなのです。中学生になっても、寝室やお風呂を共にするようなら、親の方から手放す姿勢を見せて下さい」

“友だち親子”っていいの? 悪いの?

親があまりにも娘や息子と一体化しすぎると、さらにこんな弊害も起こるという。

「例えば、娘さんが大きな砂山を作ったとします。どんなに素晴らしい砂山でも、それがほとんどお母さんの手によるものであれば、どんなに褒められても、娘さんは“いったい誰が作って、誰が褒められているのか?”混乱してしまい、満足感が得られない状況に陥ってしまう。子どもと一体化し過ぎると、子どもの手柄もすべてが親の手柄になってしまい、そのお子さんは、満足感や達成感が得られないまま大人へと成長してしまうのです。教育熱心な親に多くみられるケースかもしれません」

ショッピングや食事…ときに友だち親子として楽しむのはもちろんいいこと。だが、それも度が過ぎると、愛情が支配へと変わり、子どもの重荷になることも…。母たる者、子の友だちではなく、あくまで“親”であることを決して忘れてはならない。
(取材・文/蓮池由美子)

お話をうかがった人

信田さよ子
信田さよ子
原宿カウンセリングセンター所長 臨床心理士
撮影/松本路子 1946年岐阜県生まれ。心理学者、臨床心理士。 アルコール依存症、摂食障害、ドメスティックバイオレンス、アダルトチルドレン、子どもの虐待などの問題に取り組み、数多くの著書を手掛ける。                                  
撮影/松本路子 1946年岐阜県生まれ。心理学者、臨床心理士。 アルコール依存症、摂食障害、ドメスティックバイオレンス、アダルトチルドレン、子どもの虐待などの問題に取り組み、数多くの著書を手掛ける。