子のトラブル、対モンペママ時の対策

第1回 子ども同士のトラブル対処法
ママ友の間でも“モンペママ”と呼ばれるママの子どもにケガをさせてしまい、相手が激怒。謝ったものの一向に聞き入れてもらえず、「訴訟だ!」なんていわれてしまった…。

もし、自分の子どもがちょっと厄介と感じている相手の子どもとトラブルが起きたら、どう対処するべき? 子育て事情に詳しいファザーリングジャパンの杉山錠士さんに聞いてみた。

「ひと言でいうと、その人と仲良くなることですね。基本的に、モンスターペアレントは周りが見えていません。無茶なことを言うのは、客観的な視点が抜けているからだと思います。さらに、見ず知らずの人にそれをつっこまれると余計に逆上します。そのため、なぜこの人はそういうことを言うだろうと、相手の声に耳を傾けてくれるような関係であれば、対応がスムーズになります」(杉山さん 以下同)

このようなトラブルでは、親は自分の子どもよりの考えになりがち。子ども以上に根に持ってしまう親にはどう対処したらいいだろうか?

「正直な話、根にもって当たり前と思います。要は自分の子どもを大切に思っているということ。ただ、客観的な視点が足りないと、考えは正しいのに行動が極端になってしまう。どの親も根に持つということを前提に、少しずつわだかまりを取り除いていくようにするといいと思います」

怒る女性

●謝るときは、先の関係性を見越して誠意を見せよう

親同士の争いが深まるのはケガの内容でなく、態度が原因であることも多い。謝り方が気に入らないので訴訟、ということになったらどうしたらいい?

「とにかく謝って済ませてしまおうという短絡的な態度で対応しないことが大事です。こちら側の誠意を見せましょう。私も子ども同士のトラブルで訴えるといわれたことがあります。そこでこちらが悪いことを認めて謝罪した上で『子どもたちはこの先も学校でともに過ごすので、一緒に解決方法を探してもらえませんか? 訴訟以外の解決方法は考えられませんか? 訴えるという話は、ほかの人が聞くとモンスターみたいに思われるかもしれませんよ』と話しました。話し合いの結果、相手の理解も得られ訴訟にならずに済みました」

モンペママは客観的な視点が抜けている。そこで、社会的な視点から交渉するといいそうだ。

トラブルが起きても訴訟騒ぎのようなおおごとにはせず、話し合いで解決できることが理想だろう。それには親同士が歩み寄ること。相手を敬遠しすぎることなく、適度に距離を近づけて話し合い、先の関係性まで見越して対応できるのが親の対応力といえそうだ。
(石水典子+ノオト)

お話をお聞きした人

杉山錠士
NPO法人ファザーリングジャパン
NPO法人ファザーリングジャパン会員。テレビやラジオの「放送作家」をしながらの「兼業主夫」。自身の経験から育児のアドバイスなどを行う。
NPO法人ファザーリングジャパン会員。テレビやラジオの「放送作家」をしながらの「兼業主夫」。自身の経験から育児のアドバイスなどを行う。