潰すと雑菌が患部に入り炎症の元に!
皮膚にできる良性の腫瘍で、ニキビに似ているのが粉瘤。
アテロームとも呼ばれ、顔や背中、お尻のほか、手のひらなど、体の部位を問わずできる可能性があるものです。
皮膚の下に小さなしこりが発生し、通常は触っても痛くありません。
このしこりの中身は、肌の老廃物。
剥がれおちるはずの古い角質や皮脂が、皮膚の下にできた袋状の嚢胞に溜まっているのです。
良性の腫瘍なので、無理に摘出する必要はありませんが、そのままにしておくと炎症が起こり痛みが生じることも。
膿が溜まって腫れることもあります。
こういった嚢胞に溜まった中身が外に出てくると悪臭を伴うので、自分で潰したくなりますが、それは危険。
爪で患部を傷つけたり、雑菌が入って炎症の原因になるので避けてください。
そして、知っておきたいのは、潰して中身を出しても小さくなるのは一時的だということです。
粉瘤がニキビと似ていながら大きく違う点は、手術を行わないと完治しないということ。
手術をしても、袋状の嚢胞がきっちり取りきれていないと同じ箇所に再発するのです。
良性の腫瘍で体に影響はないので、手術するかどうかは本人の意思次第です。
ただし、大きくなると切除も難しくなるので、小さいうちに手術する方が、痛みが少なく、傷痕も残りにくいのでおすすめです。
一時的に炎症を抑えるのに市販薬は有効
前述のように粉瘤を完治させたい場合は、嚢胞の摘出手術が必要です。
小さいものなら、5分程度で日帰り手術が可能。
局所麻酔を使用するので痛みも感じません。
ただし、すでに炎症を起こしている場合は、手術ができないので、抗生物質を服用し、炎症が治まってから手術を行います。
粉瘤は薬で取り除くことはできませんが、粉瘤が化膿しはじめてしまった場合、市販されている塗り薬で抗生物質や殺菌・抗炎症作用のあるものを使うと改善する可能性があります。
ただし、これはあくまでも、炎症に対する応急処置。
根本治療には切除手術が必要なので、たびたび炎症を起こしたり、粉瘤が大きくなってきている人は、皮膚科を受診して手術の相談をしましょう。
手術になかなか踏み切れない人は、患部を常に清潔に保ち、炎症がおこらないように気をつけましょう。
疲れていたり、寝不足が続いたり、辛い物・甘い物を食べ過ぎると粉瘤が悪化するという人もいます。
執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと
配信: いまトピママ
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