【ギャングエイジ】小学3年生のわが子に苛立ち悩む、正しい接し方は

第3回 子どものギャングエイジをどう乗り切る?
小学校中学年(3・4年生~)の時期は、児童心理学で“ギャングエイジ”と呼ばれ、親や大人の干渉から逃れ、友だちや仲間をそれまで以上に求めグループを作って遊んだり、活動したりする時期。自立のスタート地点でもあり、自我が強くなる時期でもあるので、親子関係も衝突したりこじれやすい時期。いちいち反発してくるわが子にイライラとする親御さんも多いのではないでしょうか? 

では、この時期の子どもとはどのように接したらいいのでしょう。
東京学芸大学教育学部准教授・松尾直博先生に話を伺いました。

「自我が強くなるので、人の意見をそのまま受け止めたくない、自分の意見を言いたいという時期に入ってくるんですね。ですから、親御さんもある程度“そういう時期なんだ”と思ってやりとりしながら、いい意味での生意気な発言は、“成長の証”と思って受け止めてあげていいと思うんです。そして受け止めつつも、受け止めたあとに“でも、こう思うよ”と親として反論するのはいいと思います」

つまり、生意気だと思っても、子どもの“主体性”を大切にしてやることが大事だという。

「今まで以上に主体的でありたいという思いが強くなる時期なので、あなたはもう自分自身でこんなに考えたり、感じたりっていうことができるんだね。と受け止めてやってから、親としての意見を促す。つまり、頭ごなしに否定することは、自信喪失にもつながりますので、そこは気を付けて接してください」

ただし、親子間であっても、人付き合いにおいても、あまりに敬意に欠く発言や態度があった場合は、強く叱っていいという。

「実はここも重要で、叱るといっても威張って上から押し付けるのでは逆効果。自然に子どもに“やっぱり親はスゴイな”と感じさせるだけの発言内容と態度で叱らないと、だんだん本当の権威を感じなくなってしまいます。まだこの時期は“親だから従いなさい!”でなんとか抑えされますが、思春期ごろになると子どもの頭の回転も早くなり、口も達者になって、情報の収集力もつくので、まったく親の言うことをきかなくなってしまいます」

怒る母 反抗する子ども

主体性が強くなる分、例えば友だち関係などもどこまで介入していいか悩む親御さんも多いのでは? あまりよい噂を聞かない友だちと仲良くし始めたりしたら、どう対処したらいいのだろうか?

「親御さんが保護者の間での噂などに振り回されて、お子さんの友だちを大人判断で一方的に悪く言ったり否定するのはよくありません。心配ならば、多方面から情報収集したり、“○○くんに遊びに来てもらったら?”とさりげなく促して、自分の目でその子を見極めるなどするのもいいかもしれません」

ほかにも、ギャングエイジは親に秘密を持つようになったり嘘をついたり、性への興味も少しずつ芽生える時期。親御さんの悩みは尽きません。

「秘密や嘘に気づいても、“さすがにこれは”ということでなければ、あまりとがめずに見て見ぬふりをして見守るのもいいと思います。性についても、興味本位で何か言ってきたとしても、過剰に反応したり、怒ったりしないほうがいいです。むしろ、親に話してくる時点で健全で安心して大丈夫です。“そんなこと言ってると嫌がられるわよ~”と忠告するくらいで流してください」

嘘や秘密にしても、性のことについても、話してきたときに強く叱ったりとがめると、逆に今後親に何も言わなくなってしまって危険だという。

「大事なことは、親子のコミュニケーションがきちんととれているかどうかです。親子のコミュニケーションさえとれていれば、いざというときに助けたりフォローしたりできるので、日ごろの接し方は大事にしてください」

まだまだ子どもな部分がありつつ、大人扱いしてほしい気持ちが強まる時期。その気持ちをドーンと受け止めて、いい親子関係を築いていってください!
(構成・文/横田裕美子)

お話をうかがった人

松尾直博
松尾直博
東京学芸大学教育学部准教授。博士(心理学)
児童臨床心理学、スクールカウンセリング等 を専門領域とし、臨床心理士、学校心理士、 特別支援教育士スーパーバイザーとして、ま た幼稚園、小学校、中学校などでカウンセラ ーとしても活動している。  
児童臨床心理学、スクールカウンセリング等 を専門領域とし、臨床心理士、学校心理士、 特別支援教育士スーパーバイザーとして、ま た幼稚園、小学校、中学校などでカウンセラ ーとしても活動している。