サイズ・加熱方法・機能の3ステップで吟味!
①サイズを計算する
米1合は180mlのカップですりきり1杯、重さは約150g。炊飯後は約330~350gとなり、平均的なご飯茶碗は1杯約150gですから、1合=約2杯強と計算できます。この数字をもとに、世帯のご飯消費量を計算しましょう。
食べる人数は?
1人が1日に食べる杯数は?
1日の炊飯タイミングはいつ?
たとえば、3人が1日3回、ご飯1杯をそれぞれ食べる場合、3人×3杯==9杯が1日の量となります。9杯==約4.5合ですから、炊飯が1日1度なら5.5合炊きの炊飯器、2度なら3合または3.5合炊きの炊飯器が必要です。
②加熱方法の違いを把握する
サイズを決めて家電量販店へ向かったところ、売り場には膨大の数の炊飯器が……。ここで途方に暮れてしまう人も多いのでは。これらを見分けるために、過熱方法の違いを把握しておきましょう。まずは、使用するエネルギーで【電気】【ガス】に分けられます。電気の場合、価格は一般的に「圧力IH炊飯器>IH炊飯器>マイコン炊飯器」です。仕組みが複雑になるほど価格は上昇します。
【電気】
マイコン炊飯器
炊飯器の底にあるヒーター部分が熱を発し、米を入れた内釜に熱が伝わることで炊飯します。3合炊き以下の小さいサイズなら熱の伝わりが早いため、IH炊飯器にひけをとりません。
IH炊飯器
IHとは、電磁力で金属を発熱させる「Induction Heating」(電磁誘導加熱)の略です。この仕組みを使ったIH炊飯器では内釜全体を加熱するため、マイコン炊飯器より強い熱が得られます。また、内釜に圧力をかけるものは圧力IH炊飯器です。通常のIH炊飯器よりさらに高温となるため、短時間で炊き上がります。
【ガス】
ガス炊飯器
ガスの炎で内釜を熱する直火炊きです。高温を維持できるため、強火で一気に炊き上げることができます。ただし、設置にはガス栓が必要です。
③炊飯以外の機能やその他のポイントを吟味する
炊飯以外の機能もまた、過熱方法の違いとおなじく価格に反映されます。どの機能を必要とするかは、使用世帯のライフスタイルによるでしょう。じっくりと吟味したいものです。
内釜の素材
米と水を入れる「鍋」にあたる内釜。素材や厚み、形状が味と直結するため、各メーカーはこだわりをもって開発しています。層を重ねた多層釜や空洞がある真空釜、鉄・動釜、土鍋など種類はさまざまですが、炊飯の都度出し入れする部分だけに、重さや扱いやすさも選択のポイントになるでしょう。
炊飯モード
通常の白米炊飯モード以外にも、さまざまなモードが用意されています。ポピュラーなものは「早炊き」や「おかゆ」でしょう。この他にも各メーカーは「エコ」や「熟成」、「季節」、「芳醇」などのキーワードで多様なモードを用意しています。また、「玄米」も近年の定番モードといえるでしょう。
蒸気口
炊飯中に放出される蒸気は意外と高温です。うっかり触れた子どもがやけどを負ったなど、国民生活センターには多くの報告が寄せられています。蒸気を放出しない(または抑える)タイプの炊飯器なら、その心配はありません。また、上部の空間を気にする必要もないため、設置場所の選択肢も広がるでしょう。
保温
炊きあがったご飯の温度を保つ保温機能。安価な炊飯器は内釜を温める温度が一定のため、保温可能な時間は最大で5~6時間といわれています。保温時間を延ばすには、ご飯の量や経過時間など温度を調節する機能や、スチームを放出する機能が必要です。
炊飯以外の調理
内釜を熱する炊飯器の仕組みは、さまざまな料理に応用できます。レシピサイトなどでは「炊飯器レシピ」が多数発表され、いまや定番ジャンルといえるでしょう。市販の炊飯器でも料理用のクッキングプレートやレシピ本が付属したものなど、炊飯以外の用途を想定したものが増えています。
情報の波に流されないで!
研究が進むジャンルだけに、新たなモデルが次々と登場する炊飯器。とはいえ、頻繁に買い替えるわけにもいきませんよね。使用頻度が高ければ高いほど、購入を判断する大きな材料は「普段のライフスタイル」だといえるでしょう。必要とするサイズや味のレベル、機能などをあらかじめ考え、ニーズに一致するモデルを探してみましょう!