“王様子ども”にしないために、親が日々心がけることは?

第2回 優柔不断な親が溺愛!”王様子ども”が急増中?
自分の要求が通らないと泣きわめき、外出する度やりたい放題で、親や周囲の大人を困らせる“王様子ども”。そんな困った子どもにさせないために、親が気を付けることは? 子育てアドバイザーとして、ラクで楽しい育児を提案する”保育士おとーちゃん”須賀義一氏は、「まずは親の意識改革から始めなければならない」と語る。

●「イニシアチブは大人」を頭に置き、習慣化することでラクな育児に…

「かつては“子どもは大人に従うべき”という先入観で、親が子を押さえつける風潮にありましたが、現在は、脅しや釣り、ごまかしといった子のコントロールに変化しています。まず、“子どもには、どうせ言ってもわからない”という先入観を捨ててください。子どももひとりの人格者であることを忘れず、子どもに”どうしてほしいか”、”どうすればいいのか”をしっかりと目を見て伝えてください。そして、“〇〇するな!”という命令ではなく、“ママが困るんだよ”と、主体を大人において伝えることが大切です」(須賀氏 以下同)

親に威張る王様子ども

「イニシアチブは大人」を頭に置き、習慣化することも、今後の子育てを楽にするという。

「例えば、“おむつを取り替えてもいい?”、“もうたくさん遊んだから、そろそろ家に帰ってもいい?”など、今のお母さん方は、こうして子どもに聞くことを、子の尊重にあたると無意識に考える傾向があります。でも、おむつを替えるのは、子どもがどんなに嫌がってもしなければならないこと。子どもにお伺いを立てる必要はまったくないのです。“おむつがパンパンだから替えるよ~”でいい。保育園に行かせる、下に弟や妹がいて、上の子になかなか手がかけられないなど、例え子が泣きわめこうが、親にとって必要不可欠なことは堂々と主張するべき! 親が嫌なことなら、最初から子どもに選択肢を渡すべきではないのです。これらを、”負い目”だとか”かわいそう”という見方をしてしまうと、子どもへの関わり方にブレがでて、子どもの姿や子育てを自ら難しくしてしまうことになりかねません。その結果、親は従わない子に常にイライラし、脅しやごまかしを使う不誠実な子育てへと変化を遂げてしまうわけです」

目指すのは、”正解な子育て”ではなく、”自信を持った子育て”。子育ての出発点を、できる範囲で“子を受容”することに置き、子の成長に従い、ママの心のなかの天秤で、“受容”と“NO”のバランスを取りながら楽しい育児をする。ママのバランス感覚こそが、今後の育児を左右するのだ。
   
(取材・文/蓮池由美子)

お話をうかがった人

子育てアドバイザー・須賀義一氏
須賀義一
子育てアドバイザー”保育士おとーちゃん”
1974年生まれ。大学時代はドイツ哲学を専攻。人間に携わる仕事を目指し、男性としてはまだ珍しかった保育士資格を取得する。現在は、子育てアドバイザーとして、講演、研修、育児相談、コラム執筆、監修などを行っている。著書に『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』『保育士おとーちゃんの「心がラクになる子育て」』(ともにPHP研究所)がある。
1974年生まれ。大学時代はドイツ哲学を専攻。人間に携わる仕事を目指し、男性としてはまだ珍しかった保育士資格を取得する。現在は、子育てアドバイザーとして、講演、研修、育児相談、コラム執筆、監修などを行っている。著書に『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』『保育士おとーちゃんの「心がラクになる子育て」』(ともにPHP研究所)がある。