●攻撃的な感情を赤ちゃんにぶつける大人たち
なお、前述の母親はいたたまれなくなったのか、途中で電車を降りてしまったのだとか。この投稿はまとめサイトにも取り上げられ、男性に対しては怒りの声が寄せられた。確かにこれが真実であれば、男性の大人げない対応は非難されてしかるべきだろう。
赤ん坊の泣き声にイライラしてしまうことは仕方ないにしても、大人であれば心の中に留めておいてもらいたいもの。ただ、実際には攻撃的な感情を母親や赤ちゃんにストレートにぶつけてしまう人も少なくないようだ。
「電車内で泣く赤ちゃんに向けて舌打ちし、「うるせえ!」と怒鳴った40代くらいの男性。まだ数か月くらいの赤ちゃんを抱えたお母さんは、とても肩身が狭そうで周囲に何度も頭を下げていました」
「赤ちゃん連れで電車に乗ってきたお母さんに、ものすごく冷たい視線を向けるお姉さん。無言の圧力やめてあげて…お母さんかわいそう」
(※ネット上の目撃情報を一部改編)
もちろん、一部には「混雑する時間帯の電車に小さな子ども連れで乗るべきではない」という意見も見られるが、それぞれやむを得ない事情がある。そもそも、赤ちゃんがいるからといって行動を制限されるのもおかしな話だ。事実、JR東日本では昨年、ベビーカーでの乗車にまつわるトラブルが話題になったことを受け、「ベビーカーキャンペーン」を実施。「ベビーカーは折りたたまずに乗車することができます」とハッキリ名言するとともに、他の乗客に対しても赤ちゃん連れの母親に温かい気持ちをもって見守るよう呼びかけているのだ。
●電車内で赤ちゃんを落ち着かせるには?
とはいえ、母親の側にも周囲への配慮は必要だ。そこで、赤ちゃんと電車に乗る際に知っておきたい、「赤ちゃんを落ち着かせる」ポイントを紹介しよう。
1.抱っこひもを使い、赤ちゃんと向き合う形で体を密着させる。
2.混雑していない場合は座席には座らない。壁などに寄りかかり、赤ちゃんを揺らしてあやす
3.たとえ泣き出しても焦らず、笑顔でやさしく声をかけてあげる
4.おもちゃなど、気を紛らわすアイテムを用意しておく
5.泣き止んだときには、ちゃんと褒めてあげる
心に余裕を持ちにくい時代だけに、赤ちゃんに対して寛容になれない大人も増えているのかもしれない。そのことをふまえ、母親自身もある程度の心構えはしておく必要がありそうだ。
(文・前田智行)