その他、飲む量に注意が必要なもの
ハーブティーやハーブを含む製品
ハーブは医薬品より自然で安全なものというイメージがありますが、大量に、あるいは濃縮されたものを摂取し続けることで、母体や赤ちゃんへ思わぬ影響(子宮筋への刺激作用、流産誘発作用など)を及ぼす可能性があります。カフェインを含まないということでハーブティーを好む方も多いかもしれませんが、ハーブの成分は香りを嗅ぐことと飲むことで体内へ取り込まれます。ハーブティーを飲む量は、1日2杯程度を限度にしましょう。
香草や香料として通常の料理に使う程度なら、妊娠中に摂取しても害はないとされていますが、ハーブの種類や量が不明な場合は、飲んだり食べたりしないようにしましょう。ハーブティーやハーブを含む製品を摂取して体調が悪くなったときは、速やかに産婦人科を受診するようにしましょう。
イオン飲料
つわりの時期などで食欲がない時に、水分補給としてイオン飲料(スポーツドリンク、経口補水液など)を飲む方もいると思いますが、飲みすぎには注意しましょう。健康に良さそうなイメージはありますが、糖やミネラルなどが含まれてはいるものの、糖をエネルギーに変換するビタミンB1を含まない場合もあるため、多量に飲むとビタミンB1欠乏による脚気(かっけ:末梢神経障害や心不全)、ウェルニッケ脳症(眼球運動の異常、歩行困難、意識障害)を引き起こす可能性があります。もし、つわりや体調不良でイオン飲料しか飲めないというときは、産婦人科へ受診するようにしましょう。
炭酸水
口腔内をさっぱりさせたい、味のない水が飲めないなどの理由で炭酸水を好む方もいますが、胃腸が刺激され、胃もたれや食欲低下、下痢などの消化不良を引き起こす場合もあるため、飲む量はほどほどにしましょう。
水
意外と思われるかもしれませんが、水は取り過ぎることで体液の電解質のバランスが崩れることがあります。これを水毒症といい、意識障害などの症状があることがあります。水を一度に多く飲むのではなく、喉が乾いたときに潤す程度にこまめに摂取するなど飲み方に注意しましょう。また、常に喉が渇くなどの症状がある場合は、妊娠とは別の疾患の可能性がありますので、妊婦健診のときに産婦人科医や助産師へ相談しましょう。
まとめ
妊娠中は、つわりがあったり、妊娠していないときより必要な栄養が多くなるため、栄養が偏りやすいといえます。妊娠中の食事で大切なのは、食事に対してストレスを抱えないこと、こだわりすぎないことです。また、多くは食べすぎのパターンが多いですから、体重の変化にも気を付けると良いでしょう。母体と赤ちゃんの健康のために、食事の内容や食習慣を見直して、できることから工夫してみましょう。
監修者:医師 医療法人至誠会 梅田病院院長 北川 博之 先生
昭和56年愛媛大学医学部卒業。その後愛媛大学付属病院にて産婦人科講師、助教授として勤務。愛媛県立医療技術大学教授を経て、平成20年より現職の梅田病院に院長として就任。現在も愛媛大学、広島大学などで非常勤講師として教育にも従事。
配信: ベビーカレンダー(レシピ)
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