ハンバーグをより美味しくする作り方のコツ

第3805回 はじめてライフ
子どもから大人まで人気のおかずといえばハンバーグ。デミグラスや大根おろしなど、ソースで洋風から和風まで楽しめるメニューです。でも、肝心のハンバーグが美味しくないとすべてが台無しに。そこで今回は、美味しいハンバーグを作るコツを、肉の選び方、パティの作り方、焼き方の3段階に分けてご紹介いたします。

冷蔵庫の残りに応じて選べるひき肉の種類

ハンバーグを作るときは、牛、豚、鶏、合いびき肉、どのひき肉を使っていますか。ハンバーグをよく作る方は、レシピごとに変える、いつも決まったひき肉を使っている、などこだわりがあるかと思います。でも、急にハンバーグが食べたい!というときに、冷蔵庫に残っているひき肉だけでもおいしいハンバーグは作れます。まずはそれぞれのお肉で作るハンバーグの特徴をご紹介します。

牛ひき肉

牛ひき肉は、豚肉や鶏肉に比べて旨味が強く、ボリューム感のあるハンバーグが作れます。香辛料との相性がよく、肉の旨味をしっかり味わいたい方やおもてなし料理に向いています。また、牛肉は鉄分を多く含むので貧血気味の方にもおすすめです。ただし、赤身の牛ひき肉だけ使うと、焼き上がりが固くなりがちに。牛肉100%のハンバーグを作るなら、脂身が2割程度混ざったひき肉を選ぶとよいでしょう。

豚ひき肉

豚ひき肉は、牛肉に比べるとクセがないので、ハンバーグ以外にもさまざまな料理に用いられます。ハンバーグで使う際にも、牛肉の脂に比べて豚肉の脂は溶ける温度が低いので、口当たりがよく、やわらかい食感になります。栄養的には、ビタミンB1が豊富に含まれているため、疲労回復効果が期待できます。

合いびき肉

ハンバーグでよく使われるのが牛肉と豚肉の合いびき肉です。ハンバーグが一番美味しくなる割合はゴールデンバランスといわれ、旨味は強いがパサつきやすい牛肉が7割、甘みがあって口当たりがよい豚肉が3割とされています。もう少しやわらかい食感がお好きなら、牛肉6:豚肉4と豚肉の割合を多くするのもよいでしょう。お店やスーパーで売られている合いびき肉は、7:3~6:4ですが、お店によっては割合が書いていないことがあるので、ゴールデンバランスでハンバーグを作ってみたいという方は、お肉屋さんで別々に購入するとよいでしょう。

鶏ひき肉

鶏ひき肉は低カロリーであっさりとしたハンバーグが作れます。味としては淡泊になりがちですが、豆腐やすりおろしたレンコンなどと混ぜ合わせやすく、大根おろしのソースやポン酢など、和風の味つけによく合います。最近では、軟骨を鶏肉と一緒にひいたものがあるので、食感を楽しみたい方は、こちら利用してもよいでしょう。

牛乳なし、卵なしでもできる?パティの作り方のコツ

肉汁たっぷりのふっくらとしたハンバーグを作るには、しっかりと肉汁を閉じ込めることが大切です。そのために必要なのが、牛乳や卵、パン粉といった「つなぎ」です。また、成形過程にもハンバーグを美味しくする重要なポイントがあります。ここでは、ハンバーグの味を左右するパティを作る際のポイントをご紹介していきます。

牛乳や卵を使わない「つなぎ」なしのハンバーグ

もともとハンバーグは欧米から原型とされる料理が日本に来て、日本であのふっくらジューシーなハンバーグに進化しました。ですので、欧米では牛乳や卵などのつなぎは使わないことが多く、その場合、重要になるのが塩です。塩をひき肉に加えてよくこねることで、塩が粘り気を引き出し、ひき肉とひき肉をつなぐ役目と肉汁を内側に閉じ込める役割、さらに味つけや保存性を高める働きをします。このようなハンバーグは固めの食感で、いわゆる肉々しい味わいのハンバーグになります。

ふっくらジューシーなハンバーグに欠かせない「つなぎ」

炒めたたまねぎをハンバーグに入れるのも、ハンバーグにコクと甘みを与えつつ、ふっくらとした食感を出すためです。また、ヨーグルトや生クリーム、マヨネーズなども同じ役割をしてくれます。その他に、豆腐、麩、ご飯をつなぎに利用しても、ふんわりとした食感のハンバーグができます。

肉汁を閉じ込めるこね方のコツ

脂が溶けやすいひき肉は、使う直前に冷蔵庫から出しましょう。はじめにボウルにひき肉と塩を入れてよくこねます。塩だけでこねることで肉に粘りが出ます。このとき、手の温度でも肉の脂は溶けるので、できるだけ素早くこねましょう。途中、調味料やパン粉、卵を加え、さらに肉になじませるようにこねます。ただし、こねすぎると焼いたときに固くなるので、粘りが出る程度に抑えましょう。

同じ大きさに成形し、空気抜きをする

よくこねたら好みの大きさに成形します。生焼けや焦げることを防ぐために、大きさは同じくらいにそろえます。厚みは生焼けを防ぐために1cmほどが理想。そして片手から片手に交互に10回ほど往復させ、空気抜きをします。この空気抜きをすることで、焼いたときにハンバーグが膨張して、表面にひびが入ることを防ぎます。

くぼみを作って生焼けを防ぐ

空気抜きをしたら、片面の中央を指で押さえてくぼみを作ります。ハンバーグは加熱すると縮み、中心部が焼きはじめよりも膨らみます。そのため、あらかじめ中心部を薄くしておくことで、真ん中まで火が通りやすくなり、生焼けを防ぎます。最後に手のひらにサラダ油を薄くつけてハンバーグをまとめると、表面に油がコーティングされ、きれいな仕上がりになります。

肉汁を保つための焼き方

さぁ、最後の工程「焼き」です。レストランのような、肉汁溢れる焼き方を家庭でもトライしてみましょう。焼き上がりがきれいなハンバーグは、肉汁がきちんとハンバーグの中に閉じ込められているので、ひと口ほおばると、お口いっぱいに肉汁が広がります。

美味しいハンバーグの焼き方

ここからは順番にコツをお伝えします。ポイントは火加減とタイミングです。焦りは禁物です。じっくり焼き上げていきましょう。

ステップ1 焼き色をつける

フライパンにサラダ油適量を熱し、ハンバーグのくぼませた面を上にして並べ入れ、こんがり焼き色がつくまで中火で焼きます。レシピやハンバーグの大きさによって加熱時間は違いますが、火が強すぎると焦げてるので、火加減は中火で。大体1~3分でちょうどよい色目に焼けてきます。

ステップ2 裏返して蒸し焼きにする

焼き色がついたらハンバーグを裏返します。裏返したら、少量の水または酒を加えてふたをします。弱火にして蒸し焼きにして中まで火をしっかり通します。

ステップ3 焼き上がりの目安は透明な肉汁

数分後、ふたを取って再度裏返したら、強火にして一気に水分やアルコールを飛ばします。いちばん分厚いところに竹串などを刺し、透明な肉汁が出てきたら焼き上がりです。濁った赤い肉汁が出てくる場合は、中まで火が通っていないので、少量の水または酒を加え、もう一度蒸し焼きしてください。

まとめ

どんな料理にもいえることですが、料理を美味しくするコツは、ひと手間を惜しまないことです。ハンバーグはとにかくよくこね、肉だねの空気を抜き、中央にくぼみを作って、じっくりと焼くことが大切です。これらを参考にして、ぜひ肉汁たっぷりのやわらかハンバーグを作ってみてください。