実録・ブラックパート!ドラッグストアで起きた悲劇とは…?

第1回 罠が潜むブラックパートにご用心!
昨今も、朝のワイドショーで、某しゃぶしゃぶチェーン店のアルバイト大学生が、「余った商品を買い取れ!」と店長に恐喝されていたと暴露し、話題に…。世のなかには、弱い立場に置かれたパート・アルバイト従業員の足元を見て、違法まがいにこき使う企業があふれている。そこで、ママが体験した実録!ブラックパートを紹介。こんな状況に陥ったら…あなたならどうする?

●ブラックパート談「学生バイトが一気に5人も辞め…」

都内在中のAさんは、優しい旦那様と2人の子に囲まれて幸せに暮らすママ。下の子が小学校に上がったのを機に、時給950円、週1日3時間からOKということで、某ドラッグストア店でのパートを始めた。

「最初は、月曜日だけ、朝9時~正午までという契約でスタートしたんです。ところが、私が入ってすぐ、学生のバイトさんたちが、部活だ、就活だと立て続けに休むようになり、そのことを店長から責められたせいで、なんと一気に5人も辞めてしまいました。私は店長に、“新しく人が入るまで週3日、5時間でお願いできないか”と相談されて、本当はそんなに働きたくなかったんですけど、“新しく1人入るまで”という約束で渋々了承しました」(Aさん 以下同)

ところが、1カ月経っても1人も応募がなく、店長は「あと1カ月延長してくれる?」と懇願。Aさんは仕方なく、週3日で働き続けた。

「やっと、2カ月目に学生バイトが2人決まったんですけど、その2人もしょっちゅう休む。店長の見る目がないのか、採用の仕方が悪いんだと思うんですよね。そのおかげで、私は相変わらず週3日、5時間勤務が続き、さらに今度は、“ごめん! 急に欠勤が出ちゃったから、お願いできないかな”と頼まれ、ずるずる午後10時まで働かされたこともありました。結局、子どもたちの面倒は近所のママ友にお願いし、主人に早く帰って来てもらったんですけど、さすがの主人も、最初のうちは“子育てが優先ということで許したのに、どういうこと?”と怒っていましたね」

ドラッグストアのブラックパートにご用心

そんなずるずるした状態を繰り返し、半年経ってしまったというAさん。シフトはいつの間にやら、週6日、午前9時~午後8時勤務が当たり前に。義母の自宅が近いこともあり、家族の夕食は毎日義母に頼るようになってしまった。

「何度も“辞めたい”と訴えたんですけど、その度、店長に“時給を50円上げるから”と説得されて…。私も働くうちに欲が出てきて、子どもたちの習い事代もかかるので、家族を説得して何とか2年働きました」

開き直ったAさんは、登録販売員の資格も取得。今は時給1500円もらっているが、その代わり、今度は週7日勤務で、休みは月に2~3回だけになってしまったという。

「パートでこれだけもらえるところはあまりないので、なかなか辞められないんですけど、家族で過ごす時間がほとんどないので、近々今後のことを店長と話し合う予定です」

最初は週1日、3時間勤務だったはずのパートが、いつの間にやら社員並みの勤務形態に。だが、これだけ働き、仕事ができることが証明済みにも関わらず、Aさんに社員登用の話はない。この先、Aさんの家庭が壊れないことを願うばかりだ。

(取材・文/蓮池由美子)