怒っちゃダメ!小学生の”おねしょ”対処法

第176回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
「小学生になったのにまだおねしょが治らない…」と悩むママは少なくないのでは? 5歳を超えてからの頻繁なおねしょは、「夜尿症」という病気かもしれません。夜尿症には2パターンあるそうなので、それぞれの特徴と対処法をまとめます。

怒っちゃダメ!小学生の”おねしょ”対処法

●小学生のおねしょは意外に多い?

そもそも小学生でおねしょをすることは珍しいことなのでしょうか? 兵庫医科大学小児科学教授・服部益治氏の調査によると、小学生のおねしょ人口は、小学校低学年で11.13%、高学年で7%前後という結果に。なかには成人後も続く場合もあるそうなので、”たまにおねしょをしてしまう”くらいならば、個人差と考えて、深刻に悩む必要はないようです。

●キーワードは「5歳」、「週2回以上」?

おねしょをする原因は、おしっこを溜める膀胱やおしっこを濃くする腎臓の機能が未発達なためといわれています。しかし、5歳になっても週2回以上、睡眠中にお漏らしをする場合は、「夜尿症」という病気の疑いがあり、薬での治療が必要になることもあります。

●2種類の夜尿症とその原因

以前は「夜尿症」と「おねしょ」の区別はあまりされておらず、どちらもしつけや精神的なものが原因と考えられていました。しかし近年では、夜尿症の原因は大きく分けて、2つあることが明らかになってきています。
ひとつは夜間の尿量が多すぎる「多尿型」。もうひとつは膀胱が小さい「膀胱型」と呼ばれるもの。家庭で、子どもがどちらのタイプか調べるための方法は以下の通り。

1)使用前の紙オムツと、一晩はかせたあとの紙オムツの重さを量り、その差で一晩の尿量を割り出す。
2)夜間の尿量が1時間当たり「体重×1cc」を基準に、多いか少ないかを判別する。

たとえば、体重が35kgで8時間睡眠の子どもの場合。35cc×8で280ccよりも多ければ、おしっこが多すぎる、つまり多尿型の可能性があり、逆に少ない場合には、膀胱型の可能性が高いといわれています。

●夜尿症の対処法は?

まず、一番手っ取り早いのは、医師に相談すること。それぞれの状態や症状に合わせて、適切な薬を処方してもらえます。家庭で対処したいのであれば、以下の方法がオススメ。

■多尿型
・就寝前、2時間前から水分を摂らせない
・ぐっすり寝かせる

■膀胱型
・体を冷やさないように、ゆっくりお風呂につかり、体を温めてから就寝

ちなみに、寝ている子どもを叩き起こして、無理やりトイレに行かせるのはNG。むしろストレスを感じて、治りが遅くなることもあるのだとか。
また、「小学生にもなって!」「洗濯物が増える…」などの発言も、子どもにとってはプレッシャーになりかねません。心のケアも治療を円滑に進める大切なステップです。

実は体の機能が原因だった、大きくなってからのおねしょ。小学生にもなれば、自我が芽生え、恥じらうことも多くなります。きっと一番傷ついているのは、おねしょしてしまった本人です。夜間にお漏らししてしまっても、子を叱ったり、親が悩んだりする必要はありません。まずは、パパやママが子どもの心に寄り添ってあげる。それでも改善せず、頻度が多いようなら、医師に相談してしっかり治療するようにしましょう。
(文・姉崎マリオ/考務店)

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