PTA仕事も合理化しすぎなエリートママ

第2回 エリートママは意外と厄介?
高学歴で専門職についていたり、一流企業に勤めていたりするママは、幼稚園や小学校のPTA仕事をしてもやっぱり効率が良いもの。

でも、そこに問題が生じることも多いと言うのは、ママ向けの子育て講座などを開催しているファインコーチングの山崎洋実さん。

「高学歴ママやキャリアママは、時間にいつも追われているので、仕事が早い人が多いですよね。でも、なんでも『効率重視』になりすぎる傾向があるのです」(山崎さん 以下同)

例えば、PTAでボランティアとして、みんなで暑い中グダグダやるのが恒例だった草取りやイベントなども「親がやることじゃない」「PTAの負担を減らそう」と、バッサリ切ってしまうというのはよくあるそう。

「夏休みのラジオ体操やプールなども、昔は毎日行われていたものですが、今は当番をするお母さんたちが大変だという理由で、一部の日しかやらないことが増えています。仕事をしているお母さんが多いので、確かに負担は大きいですが、どんどん季節の風物詩がなくなり、味気なくなっている面もあるのです」

ビデオ撮影する女性

●プロが良かれと思ってやることが迷惑になることも

一方、保育園や小学校のママには、専門職の人も意外といるもので、プロの仕事を保育園や小学校のために良かれと思って持ち込んでくる人もけっこういるそう。

例えば、テレビ局に勤めるお母さんが、保育園のアルバム作りの際に「映像の仕事は任せて」と言ってくれるケースでは、こんなトラブルが。

「プロの方にはこだわりがあるので、妥協できず、『全員この日に集まって』などと言うんですが、みんな仕事をしているわけですから、調整が難しく、正直無理ですよね? すると、全員がそろうまで何度も集まることになって…。気持ちはありがたいですけど、そこまでのクオリティは正直みんな求めていないですし、結局、親子でヘトヘトになったそうです」

同様に、広告・出版・印刷業界のお母さんがPTAの広報担当になり、クオリティが上がりすぎて、普通のお母さんが参加しにくくなるということもあるよう。

誰しも子どものために良かれと思って厚意でやっていることだし、効率化によって助かると感じてくれる人も多数いる。だが、その一方で、ありがた迷惑と感じる人もいるのだ。

善意がどんな場面でも良いとは限らない。行き過ぎにならないよう、また、PTAを仕事にしすぎないよう、エリートママは注意したいものだ。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

山崎洋実
山崎洋実
Fine coaching(ファインコーチング)主宰
旅行代理店、大手英会話学校勤務を経て、結婚退職後コーチングを体系的に学び、身近なママ友達向けにママ向けのコーチング講座を開催。日本一ママをコーチングしている。
旅行代理店、大手英会話学校勤務を経て、結婚退職後コーチングを体系的に学び、身近なママ友達向けにママ向けのコーチング講座を開催。日本一ママをコーチングしている。