子どもだけの楽しみにしておくにはもったいない! 大人も興奮「恐竜博2019」

第4331回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
夏休みの定番イベントといえば恐竜関係。「とりあえず恐竜を見せておけばOK!」と考えているママも多いでしょうが、2019年7月13日~10月14日まで国立科学博物館で開催される「恐竜博2019(THE DINOSAUR EXPO 2019)」はひと味違います。「日本・世界初公開」がたっぷり用意された本気の内容は、大人の恐竜ファンも必見。「子どもはなぜ恐竜好きなの?」と不思議に思っているママも、この夏は恐竜の魅力に目覚めてしまうかも?

「むかわ竜」が生きた恐竜世界のCG ⓒNHK

50年で格段に進歩した恐竜学、その歩みを一挙にチェック!

「そもそも恐竜って何?」と思うママはまず、展示ゾーン1「恐竜ルネッサンス」で恐竜研究が発展したこの50年を振り返ってみましょう。恐竜研究の新時代は1969年、以前アメリカで発見された新種の肉食恐竜が、「恐ろしいツメ」を意味する学名・デイノニクスと命名されたことから始まりました。

古生物学者ジョン・オストロム博士のデイノニクス研究は、それまで愚鈍な生物と考えられていた恐竜のイメージを変えました。デイノニクスは「恐ろしいツメ」が意味するとおり、活発に動き、鳥や哺乳類のような温血(恒温)動物と考えられるようになったのです。本展では、門外不出とされるデイノニクスのホロタイプ標本が日本初公開されます。

「恐ろしいツメ」を意味するデイノニクス 足の第2趾(ホロタイプ標本)

展示ゾーン1は年代を追って「子育て恐竜」マイアサウラ(1979年発表)やディノサウロイド(恐竜人間)の仮説(1982年発表)、世界で初めて全身の色が推定されたアンキオルニス(2010年発表)など、恐竜研究50年のトピックスが重要標本で一望できる構成です。中でも「謎の恐竜」デイノケイルスは本展の目玉。続く展示ゾーン2でその全貌が明らかになります。

半世紀近く「謎の恐竜」だったデイノケイルス、全貌を世界初公開!

デイノケイルスは1965年、モンゴルのゴビ砂漠で前あしの化石が発見されました。長さはなんと2.4メートル、カギヅメ状の指先がなんとも不気味です。その形状から、1970年には「恐ろしい手」を意味するデイノケイルスと命名されますが、以後は半世紀近く他部分の化石が発見されず「謎の恐竜」となりました。こちらは複製品が展示されます。

「恐ろしい手」を意味するデイノケイルスの前あし。本展では複製品が登場

「謎」が動いたのは、頭骨などを含む2体が発見された2006年から2009年。2014年発表の論文で明らかになった全貌は、幅広なクチバシや帆のような構造の背中など“想定外の恐竜”でした。その姿を目の当たりにできる全身復元骨格と、頭部と右足の実物化石の三つは本展で世界初公開となります。

デイノケイルス全身復元骨格 (C)Institute of Paleontology and Geology of Mongolian Academy of Sciences

この他にも、化石発掘のメッカ・モンゴルから届いた最新研究結果を展示。3体のオヴィラプトル類が折り重なるような「きょうだい化石」なども世界初公開です。まだまだ数多い恐竜の「謎」、そこに迫る研究の最前線を垣間見ることができるでしょう。

3体のオヴィラプトル類が折り重なるような「きょうだい化石」は世界初公開

日本恐竜学史上で最大の発見! 北海道「むかわ竜」がついに東京上陸

そして展示ゾーン3ではいよいよ「日本恐竜世界」が登場。2003年に北海道むかわ町で発見された「むかわ竜」、その復元全身骨格が東京に初上陸します! ハドロサウルス類の新種である可能性が高い「むかわ竜」は全身推定8メートル。2017年には「国内でも最も完成度の高い恐竜全身骨格発見」と発表されました。

「むかわ竜」全身復元骨格 むかわ町穂別博物館所蔵
「むかわ竜」全身復元骨格 むかわ町穂別博物館所蔵

「むかわ竜」全身復元骨格 むかわ町穂別博物館所蔵

恐竜絶滅の謎にも鋭く迫る「恐竜博2019」。「夏休みの子連れイベントとしては本気すぎる!?」と思うなかれ。重要標本がぎっしり詰まった展示内容は、子どもの知的好奇心をストレートに刺激してくれるはず。見終わるころには一家そろって、恐竜学の最前線に立った気分かも? 地球や生物の長い歴史について考える絶好の機会、ぜひ訪れてみてはいかがでしょう。

■開催概要
『恐竜博2019 THE DINOSAUR EXPO 2019』

国立科学博物館ホームページ展覧会公式サイト

【会期】
2019年7月13日(土)~10月14日(月・祝)

【開館時間】
9:00~17:00 
※金曜・土曜は20:00まで ※8月11日(日)~15日(木)、18日(日)は18:00まで ※入場は各開館時刻の30分前まで

【開催場所】
国立科学博物館

【休館日】
7月16日(火)、9月2日(月)、9日(月)、17日(火)、24日(火)、30日(月)

【観覧料】
一般・大学生 1,600円 (前売り:1400円)
小・中・高校生 600円 (前売り:500円)
金曜・土曜限定ペア得ナイト券 2,000円
※t前売り券の販売は7月12日(金)まで ※ 金曜・土曜限定ペア得ナイト券は当日17:00以降販売・2名様同時入場限定 ※ 未就学児ならび障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名様は無料

【チケットの販売所】
国立科学博物館(休館日を除く)、公式サイト(オンラインチケット)、セブンチケット、ローソンチケット、チケットぴあ、イープラス、イベンティファイ、CNプレイガイド、いこーよ、その他プレイガイド

【主催】
国立科学博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社

(文:ままのわ編集部)

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