男の子だって犯罪被害に注意が必要!

第2回 夏休みは危険 わが子を犯罪から守るために
「うちは男の子だから犯罪被害なんて関係ない」と油断している男児ママも多いのでは? だが、犯罪の被害者は女の子に限定されているわけではない。男の子をターゲットにした犯罪被害も頻繁に報告されているのだ。

女の子はもちろん、男の子だって犯罪被害に遭わせないための注意が必要。犯罪から身を守るコツを伝えるプロジェクト「うさぎママのパトロール教室」主宰であり、安全インストラクターとして豊富な経験があり、メディアにも出演するカリスマ講師・武田信彦さんに聞いた。

男子トイレ

●男の子も常に性犯罪の危険にさらされている

まずは男児が被害者となった2016年の最新事例を見てみよう。「ゲームとお菓子をあげるから」と車から小3男児に声をかけてさらおうとした誘拐未遂事件(群馬・1月)、7歳男児と4歳女児の兄妹に声をかけ連れ回した事件(東京・3月)などがすでに起きている(※1参照)。

さらに遡ると、7歳の男児を裸にして縛り付けた強制わいせつ罪で逮捕された20代男の事件や、「お菓子をあげる」と声をかけられた男児が下半身を撮影された事件なども発生している。男児だからといって安心はしていられないのだ。

「犯罪被害から身を守るための注意点という意味では、男の子も女の子も変わりありません。まずは、“ひとりにならない・させない”こと。町中ばかりでなく、不特定多数などが集まる商業施設や公共施設などのトイレなどは特に注意が必要です」(武田さん 以下同)

●犯罪を防ぐには、子の”予防力”とご近所付き合いがカギ

それでもひとりになってしまうときのために、普段から危険を素早く察知する“予防力”を働かせておくことも大事だ。

「だるまさんがころんだ、で振り返る動きのように、前のみならず横や後ろにも意識を向けるクセをつけることを子どもに教えましょう。家の鍵を開けるとき、自転車を置きに行くときなど、安心してしまう家の周りほど隙が生まれやすくなるので注意してください」

また、普段から近所の人たちと挨拶をかわしておくことも防犯につながるという。

「地域の人と挨拶を交わすことは、大切なコミュニケーションであると同時に、お互いの安全を確認し、いざというとき助け合える大きな力にもなります。しっかりと挨拶ができることは、子どものコミュニケーション能力を育む上でも重要なことです」

一人で帰宅する小学生

●「距離をとる」「断る」「逃げる」で身を守る

では実際に危険な状況に遭った場合はどうすればいいだろう? 登下校中や外で遊んでいるときなど、人に声をかけられたり、お願いごとをされたりしたら?

「まず大事なのは、相手がどのような人でも“距離をとる”こと。会話ができても“触られない”“掴まれない”程度に離れておくことが安全につながります。また、誘われたりお願いごとをされたりして『変だな?』と感じたときは、きっぱり断ることが大切です」

このとき、「知っている人」「知らない人」の区別はなくていいそう。顔見知りの大人でも、「ちょっと変だな?」と感じたら、「いやです」「大人に言ってください」「おうちのルールでできません」など、しっかり断れるように普段から親子で練習しておこう。

「それでも危険を感じたら、迷わずにその場から逃げること。助けてくれる人がいるところまでダッシュで走りきりましょう。防犯ブザーで大きな音を出し、相手が戸惑っている隙に逃げるのも手。不安を感じたらいつでも鳴らせるよう手が届くところに防犯ブザーは備えておきましょう」

危険を感じたら素早く対処することで、最悪の事態を防げる確率は上がる。性別に関わらず、子どもには安全を守るためのポイントをしっかり伝えておこう。
(阿部花恵+ノオト)

※1 セコム子どもの安全NEWS 参照
http://www.secom.co.jp/kodomo/news01.html

お話をお聞きした人

武田信彦
武田信彦
1977年生まれ。安全のコツを伝えるプロジェクト「うさぎママのパトロール教室」主宰。安全インストラクターとして全国で講演やセミナー講師を多数務める。
1977年生まれ。安全のコツを伝えるプロジェクト「うさぎママのパトロール教室」主宰。安全インストラクターとして全国で講演やセミナー講師を多数務める。