●腱鞘炎って?
関節を動かすのは筋肉ですが、その筋肉を支える部位のことを「腱」といいます。この腱の周辺にある「腱鞘」が炎症を起こすことを腱鞘炎と呼ぶのだそう。腱鞘炎は、手首の「ドケルバン病」と指の「ばね指」という2種類が一般的です。
腱鞘炎の原因は、「酷使すること」。つまり、使いすぎることで発症します。長時間にわたって、絵や文字を書く、パソコンを操作する、重いものを持つ・支えるなどの行為を続ける職業の人が発症しやすいと言われています。
また、筋力の少ない女性が発症しやすいそうですが、産後のママはさらに筋力が落ちているので、要注意。抱っこ・おむつ替え・授乳など、慣れないことが多く、変に力が入ってしまうことも要因に。
子育てに関することは仕方ありませんが、私生活ではなるべく手首や指を使わない生活をこころがけると◎。スマホやパソコンの操作を控える、料理もピーラーやミキサーなどの器具を活用するなど、手首や指を休ませることが大切です。サポーターをつけたり、マッサージやストレッチをこまめにしたりするのも、効果アリですよ。
●産後は腰痛も悩みのタネに…
産後は、腰痛もママの悩みのタネですよね。産後に腰痛が悪化しやすい理由を、以下にまとめます。
□産後、腰痛になりやすい理由
1)骨盤のゆがみ
出産時は、赤ちゃんが通りやすいように、骨盤周辺のじん帯がゆるくなります。骨盤は産後、数カ月かけて元に戻るのですが、必ずしもキレイに戻るわけではありません。骨盤をキレイに戻すストレッチや体操など、さまざまな方法が提案されているので、試してみるといいかも?
2)無理な姿勢(体勢)が多い
忙しさゆえに気づきにくいですが、ママは自然と無理な体勢になることが多いです。目線を赤ちゃんに合わせようとするので、前かがみになることが多いと思いませんか? さらに、おんぶや抱っこの時には、3kg前後のおもりをつけているのと同じ。それらの疲れが蓄積されていくそうです。
3)筋力低下
腱鞘炎もそうですが、筋力の低下はカラダの負担増につながります。妊娠すると、お腹の赤ちゃんのことを考え慎重になったり、激しい運動を控えたりします。およそ10カ月間、ほとんど運動しなかったと考えると、筋力の低下は相当なはず。出産後は、妊娠以前の生活に戻り、急激に負担がかかるので、腰痛が悪化しやすくなるのです。
育児や家事に加え、職場復帰するママもいますよね。「毎日忙しくて、自分の時間が取れない!」という意見も多いでしょう。しかし、子育ても家族の円満も、ママが元気に健康で、笑顔でいればこそ。自分のカラダをいたわることもママの大切な任務ですよ。
(文・明日陽樹/考務店)