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ルポライターが語る! 虐待を深刻化させないために親が知っておきたいこと

ルポライターが語る虐待事件
親の虐待により子どもが死亡する。そうした事件が報道される度、「なぜそこまでエスカレートしてしまったのか」「死亡させる前に虐待を止めることができなかったのか」、思わずそんな疑問を抱いてしまいます。

そこで、悲惨な虐待事件を取材してきたルポライターの杉山春さんに、虐待をエスカレートさせないために必要なことを伺いました。

●子育ての苦しみを一人で抱え込んでしまう

2000年、愛知県名古屋市近郊で女児が20日近くも段ボールの中に入れられたまま亡くなった「3歳児段ボール箱内餓死事件」。2児がマンションに置き去りにされ餓死した「大阪二児置き去り死事件」。筆舌に尽くしがたい悲惨な虐待事件を取材してきた杉山さん。虐待の末、我が子を死に至らしめてしまう親には次のような共通点があるといいます。

・周囲から孤立したり、他人から傷つけられたりした経験があり、心に深い傷を負っている
・弱っている自分を肯定してくれる友人や場所がない

こうした母親には、弱みを見せることができる場所や人がたくさん必要だと杉山さん。

「大切なのは、家族や友人の支えだけではなく、公的な支援にもつながることです。多様な人たちに支えられる必要がある。それは、生活保護のワーカーかもしれませんし、児童福祉施設のワーカーかもしれません」(杉山さん、以下同)

ルポライターが語る! 虐待を深刻化させないために親が知っておきたいこと

●外部からの働き掛けが母親の心理的負担を軽減

さらに、国や自治体の施設や制度などを利用する手段もあるようです。

「苦しい時に子どもを保護してくれる施設もあります。ただ、虐待リスクを抱える親自身は、なかなかそうした支援先を利用しづらいものです。特に“いいお母さん”でいたいという気持ちが強いほど、周囲にSOSを出しにくくなってしまいます。結果、虐待が発見されずにエスカレートしてしまうかもしれません。『立派な母親じゃなくてもいいんだ』とお母さん自身が思えればいいのですが……」

もし虐待リスクの不安を感じたら、気軽に児童相談所や市町村の相談窓口を訪ねるのも手かもしれません 。家族や友人のようなしがらみがないからこそ、相談できることがあるはずです。

(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)

お話をお聞きした人

杉山春
1958年生まれ。雑誌記者を経てフリーのルポライターとして活躍。著書に、小学館ノンフィクション大賞を受賞した『ネグレクト―育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか』(小学館)のほか、2010年の夏に大阪市のマンションで二人の子供が餓死した事件を取り上げた『ルポ虐待――大阪二児置き去り死事件』(ちくま新書)、『移民環流―南米から帰ってくる日系人たち』『満州女塾』(新潮社)『家族幻想「ひきこもりから問う」』(ちくま新書)など多数。
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