リベンジポルノ 被害者の2割が未成年という現実

第398回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
年々、深刻化している“リベンジポルノ”。おもに、元交際相手からの嫌がらせで、インターネット上に卑猥な画像を公開するという悪質な犯罪です。2014年には、「リベンジポルノ防止法」が施行されるなど、国をあげて対策に乗り出していますが、まだまだなくならないのが現実。2015年に、全国の警察に寄せられた被害相談は、1143件。被害者の9割が女性なのだとか。さらに驚くべきことに、被害者のうち、未成年者がおよそ2割にものぼるそうです。

リベンジポルノ 被害者の2割が未成年という現実

●リベンジポルノって?

リベンジポルノとは、元パートナーとの間に何らかのトラブルが生じ、報復のために交際中(結婚中)に撮影したわいせつな写真・動画などをネット上に無断で公開すること。一般的には、元交際相手による被害が多いようですが、最近では、ネット上で知り合った名前も顔も知らない相手とトラブルになるケースが増えているといいます。

リベンジポルノの被害拡大の背景には、スマートフォン(以下、スマホ)の普及が挙げられます。高性能なカメラが備わっていて、簡単にネット上にアップロードできるスマホ。また、未成年者でも、当たり前のように使えることが関係しているのではないでしょうか?

●リベンジポルノの弊害

リベンジポルノの恐ろしいところは、被害が一度で終わるとは限らないということ。一度ネット上に公開された画像は、世界中に拡散されます。全部を消すことはほぼ不可能。そればかりか、悪用される可能性もあるのです。

□二次被害の例
1)宣伝に使われる
アダルトサイトや風俗店の宣伝用として、画像や動画が使われてしまう可能性もゼロではありません。もしそうなれば、さらにネット上から抹消するのが難しくなります。

2)SNSなど、偽アカウントを作成される
元パートナーは名前や生年月日、住所、電話番号など、詳しい個人情報を知っている可能性が高いですよね。さらに、画像や動画を持っているとしたら、SNS上で偽のアカウントを作るくらい簡単にできるはず。場合によっては、住所や電話番号を公開し、「○○募集中」など、本人が身に覚えのない人から連絡が入ることもあるのです。

3)脅迫・金銭の問題
画像や動画が、知らぬ間にビジネス目的(アダルトビデオに収録されるなど)で流通する可能性もあります。また、「学校(会社)に送るぞ!」というように、金銭を要求されてしまうことも十分に考えられます。

●撮らせない・送らないが基本!

対策として、どんなに好きな相手でも、「撮らせない」「送らない」というのが基本。その時はお互いが納得しているのかもしれませんが、別れた後に豹変するケースは少なくないそうです。また、ちょっと前には、高校生の間で、キス動画を公開するのが流行りましたよね。「注目されたい」という安易な考えが、思わぬ形で返ってくることもあるということをお忘れなく!

「興味本位」「嫌われたくないから」など、卑猥な画像を撮らせたり、送ったりするのには、さまざまな理由があるはず。しかし、ネット上に一度出回ってしまうと、回収はほぼ不可能。断る勇気も必要です。また、未成年の被害も少なくありません。大切な子どもたちを守るために、家庭できちんと話し合うことも必要ではないでしょうか。
(文・明日陽樹/考務店)

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