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近代美術のいいとこどり!三菱一号館美術館で「印象派からその先へ―世界に誇る 吉野石膏コレクション展」

第66回 OZmall(オズモール)
建材メーカー・吉野石膏株式会社が集めた近代美術のコレクションを、初めて本格的に紹介する「印象派からその先へ―世界に誇る 吉野石膏コレクション展」が、2019年10月30日(水)から2020年1月20日(月)まで、丸の内の三菱一号館美術館で開催される。

印象派誕生以前の新しい芸術の動きからポスト印象派まで





左/クロード・モネ《睡蓮》1906 年 油彩/カンヴァス 吉野石膏コレクション  右/エドガー・ドガ《踊り子たち (ピンクと緑)》1894年 パステル/紙 吉野石膏コレクション

コレクションは、印象派の先駆けとされるものから、印象派とポスト印象派を経て、フォーヴィスム(野獣派)やエコール・ド・パリの作品まで、近代美術の魅力が詰まったラインナップ。

第1章「印象派、誕生 ~革新へと向かう絵画~」では、19世紀後半のパリで印象派が誕生する前の作品から始まる。

歴史画を頂点として公式のサロン(官展)で入選することが画家の名誉だった時代に、身近なモチーフを作品にしたクールベや、農民画を描いたミレー、戸外で風景画を描いたコローなど、印象派に先駆けた動きが次々と登場。

さらに、新しい芸術をめぐる議論が活発になって、モネ、ルノワール、ピサロ、ドガ、セザンヌらは、1874年に独自の展覧会を開催。これが、後に第一回印象派展と呼ばれるようになる。





左/エドゥアール・マネ《イザベル・ルモニエ嬢の肖像》1879年頃 油彩/カンヴァス 吉野石膏コレクション 右/カミーユ・ピサロ《モンフーコーの冬の池、雪の効果》1875年 油彩/カンヴァス 吉野石膏コレクション

マネはこの展覧会に参加せず、サロンへの出品を続けていたけれど、鮮やかな色彩で筆触を残す平面的な画法は印象派の形成に影響を与えたという。

一瞬の光のきらめきや大気の変化を捉えようとする印象派の画家たちは、絵の具をほぼ原色のままカンヴァスに載せて、濁りのない明るい色で画面を作り、大胆な挑戦を続けていった。

神話や逸話を主題とし、筆跡を残さないなめらかな画面が特徴の絵が主流という伝統的な画壇から見ると、セーヌ川沿いの風景や劇場の踊り子など都市の生活をテーマに、油彩やパステルなどさまざまな技法を使う印象派の作品は異端とみなされ、筆跡の残る画面は「未完成作品」と批判されることに。

それでも、彼らの表現に共鳴する批評家やコレクターも増え、徐々に影響力は大きくなっていく。ゴッホなどポスト印象派の画家は、印象派の絵画をさらに発展させ、やがて20世紀の前衛芸術を予告することになる。



フォーヴィスムも抽象も!20世紀初頭に花開いた多彩な表現





左/アンリ・マティス《緑と白のストライプのブラウスを着た読書する若い女》1924年 油彩/カンヴァス 吉野石膏コレクション 右/ピエール・ボナール《靴下をはく若い女》1908-10年 油彩/カンヴァス 吉野石膏コレクション

第2章は「フォーヴから抽象へ ~モダンアートの諸相~」。1905年のサロン・ドートンヌ(美術展覧会)で、マティスらは激しい色彩を特徴とする「フォーヴィスム(野獣派)」を打ち出す。フォーヴはフランス語で野獣の意味で、原色を多用した強いタッチの絵を見た批評家が「まるで野獣(フォーヴ)の檻の中にいるようだ!」と言ったことが由来とか。

今回の展覧会にも彼らの作品は展示されるけれど、その出品作品からは、絵画の伝統と前衛的な表現の間で揺れ動く作家たちの試行錯誤の跡を感じ取ることができる。

さらに、多角的な視点から見た物の形をひとつの画面に納める「キュビスム」のピカソやブラック、抽象的な絵画で独自の世界を開拓したカンディンスキー、ポスト印象派のゴーガンの流れを汲むボナールらのナビ派など、20世紀初頭に開花したモダンアートの逸品が揃う。



優しく親しみやすい名画たち。パリ派の個性的な作品群も





モーリス・ユトリロ《モンマルトルのミュレ通り》1911年頃 油彩/厚紙 吉野石膏コレクション

第3章「エコール・ド・パリ ~前衛と伝統のはざまで~」では、シャガール、モディリアーニ、ユトリロなど、1920年代にパリで活躍した作家たちの作品を展示する。

諸外国からパリへやってきた作家は「エコール・ド・パリ(パリ派)」と呼ばれたけれど、そこにはフランス生まれの作家も含まれていたそう。彼らはフォーヴィスムやキュビスムのような共通の様式を持たず、個性的で魅力的な作品を制作。

今回の展覧会では、質の高いコレクションで近代美術の流れが一覧できるのはもちろん、その多くが優しいタッチの親しみやすい作品群であるのも見どころ。名画を見終えた後に、少し優しい気持ちになれるかもしれない。



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