子どもと大人の歯科矯正の違い
子どもの歯科矯正には「一期治療」と「二期治療」があります。「一期治療」とは、乳歯の時期や、永久歯に生えそろっていない時期に行う治療で、顎のバランスを整えて永久歯がきちんと生える準備をしてあげる治療のこと。一方、「二期治療」とは、永久歯が生えそろった後にする治療で、歯並びや、かみ合わせを整えてあげる治療のことを指します。
一般的に、一期治療は20〜50万円前後、二期治療は50〜60万円前後だそう。歯の状況によって、一期治療のみでOKなケースもあるそうです。大人になってからでは、一期治療は行えないため、二期治療のみとなります。その場合の金額は、80〜100万円前後。子どもと大人での金額の差はほとんどないのだとか。
一期治療を行えるのは、永久歯に生えそろう前という短い期間のため、焦って治療を始めてしまうママも多いとか。なかには、治療の必要がないのに、「今やらないと後悔しますよ」「後々、悪影響があるかも」などと、不安を煽る医師もいるようなので、要注意です!
早期矯正が必要ないケースとは?
日本歯科矯正専門医学会より、歯科矯正治療に関する診療ガイドラインが作成されました。
それによると、上の前歯が出ている7〜11歳の子どもに対して、永久歯が生えそろうまでは矯正治療を行わないことを強く推奨しているのです。早期の歯科矯正は、現在のところ確実な有効性が確認されていないとのこと。もちろん、「絶対に効果がない」というわけではありません。まずは、十分な検査を行うことが先決です。
愛するお子さんのためとはいえ、焦りは禁物。しっかり検査を行った上で、お子さんにあった適切な治療を受けさせるのが◎。きれいな歯並びの方が良いのかもしれませんが、歯並びだけですべてが決まるわけではありません。医者に言われたからと無理に治療させず、お子さんの意志も尊重してあげましょう。
(文・小野由美子/考務店)