千秋がママたちにエール!今すぐ完璧な母親は無理

第2回 千秋流”ママ友論”
中学1年生の長女の子育てをしながら、マルチな才能を見せるタレントの千秋さんが、著書『人見知りだった千秋が付き合い上手になった魔法の法則16』(中央公論新社)を出版。彼女が経験した“ママ友の世界”をリアルに描いた話題作だ。そこで『ママテナ』では、千秋さん本人にインタビュー。読めばきっと子育てがラクになる…究極のメッセージを、『ママテナ』読者だけにおくる!

●子育てのハードルは低くしておく

――「ママ友付き合いで無理をしない…」千秋さんの著書を読むと、至るところでこのテーマに気づかされますが、具体的に実践されたエピソードはありますか?

「とにかく、すべてにおいて“ハードルを低くしておく”ということでしょうか。ストレスは人それぞれ感じるところが違うので、一概に私のやり方が当てはまるかどうかはわからないし、無理する方が良いと言う人もいると思う。例えば、ママ同士の飲み会やパーティで、“手作りの料理を持ち寄りで…”ってよくありますよね。“できないことが恥ずかしい、嫌われるんじゃないか不安になる”のであれば、頑張って手作りをした方がストレスにならないけど、私は無理して作るほうがストレスなんですよ。だから最初から“無理だから何か買っていくね!”って言っちゃうし、無理せずに好きな方を選んでいいと思います。仕事が終わって夜中に何か作るくらいだったら“え~ッ”て言われながらも買ってきた物を出す。何が自分にとって一番つらいのか…それを避けて行動すればラクになると思います。でも意外と、野菜たっぷりの手作りシフォンケーキより、私が買った菓子パンの方がすぐなくなったりするんです(笑)」

――千秋さんは、日本の子育て環境にも、ママがつらくなる要素があると思いますか?


「不思議だなと思うんですけど、日本には“ママ=品行方正にならなきゃいけない”という根強い固定概念がありますよね。“ママだから料理できるよね、ママだから我慢強いよね”とか…。でも、全員が全員、ママになった瞬間にそうなるわけがない。聖母マリアみたいになるには、それ相当の経験値や年月が必要だと思います。だから私のテーマは“努力はするけど、80歳までにはちゃんとやる”。“遅いけどいいじゃん”って思います。“今すぐ良妻賢母にはなれないけど努力はします、だから周りの人もそれを求めないで”って。“80歳の時に必ず帳尻合わせるから”と。まぁこれも、人それぞれかも(笑)」

千秋

――80歳が母としてのゴール…そう思えば、たしかに気持ち的にもラクになりますね。

「子育てのゴールってまだまだ先だし、子どもが大人になって始めて結果が出るわけで、ちゃんとした人間に育て上げて、おばあちゃんになった時、初めて“母親頑張ったな”と思えればいいかな。だからこそ、0歳とか1歳のときから全部料理を手作り、持ち物はすべて手縫いで…とか、無理に感じる人はしなくていいと思います。もちろんそれが得意な人はやればいい。ハードルを下げて最初からみんなに宣言しておけば、みんなも期待しないですし(笑)。“私できません! できないけど努力するから80歳の時まで待ってね”って。それは子育てだけじゃなく、旦那さんに対しても、お姑さんにも通じること。“私、今はまったくできないんですけど、これから頑張ります。教えてください”って最初から宣言しちゃうんです。でも、それを黙ったまま、寝ずに頑張って1個手作りしちゃったら、“次も作るわよね?”ってなっちゃうから(笑)。プライドとか見栄とかもいらないと思います」

いらぬプライドも見栄もかなぐり捨てて、白旗を挙げた上で誠意を見せる…そんな千秋さん流の人付き合いは、ママ友の世界だけでなく、どんな世界にも役立ちそうだ。

(撮影/橘蓮二 取材・文/蓮池由美子)

お話をうかがった人

千秋
千秋
タレント
10月26日生まれ。O型。’91年、オーディション番組『ゴールドラッシュ』で優勝し、芸能界デビュー。タレント、歌手、デザイナーとして幅広く活動している。ママ友の世界を赤裸々につづった著書『人見知りだった千秋が付き合い上手になった魔法の法則16』が話題に。
10月26日生まれ。O型。’91年、オーディション番組『ゴールドラッシュ』で優勝し、芸能界デビュー。タレント、歌手、デザイナーとして幅広く活動している。ママ友の世界を赤裸々につづった著書『人見知りだった千秋が付き合い上手になった魔法の法則16』が話題に。