これ1つで本当にOK? オールインワンジェルの落とし穴

第1回 「これ1つでOK」のコスメは本当に1つで大丈夫?
子育てに追われるママにとって、スキンケアにかける手間と時間はできるだけ省略したいもの。

そんなママたちの救世主的存在といえば「オールインワンジェル」。これ1つで化粧水、美容液、乳液、化粧下地などの役割を果たすとあって、愛用している人も多いだろう。

現在ドラックストアなどでは数多くのオールインワンジェルが並んでおり、すっかり定番アイテムとして定着している。だがスキンケアにこだわる人は「本当にこれ1つで何役もこなせるの?」という疑問を持つ人もいるのではないか?

そこで「西麻布ヒフ・形成外科」の院長、藤井佳苗先生にオールインワンジェルの有効性について聞いた。

●肌トラブルを抱えている人は使わないほうが無難

「化粧水や乳液など、基礎化粧品が持つ効果をしっかり求めるのなら、オールインワンジェルはオススメできませんね」(藤井先生 以下同)

なかでも肌が弱い人やトラブルを抱えている人は要注意だという。

「『美白したい』『ハリを出したい』『にきび対策をしたい』などの具体的な肌の悩みがある場合、目に見える効果は難しいでしょう。オールインワンジェルは複数の化粧品を合わせているため、製品に配合される成分も多いのが特徴です。その分、トラブルになるリスクが高いといえます」

水をすくっている手

●UVケアをプラスすればママたちの強い味方に!

とはいえ、オールインワンジェルを使うことによるメリットも数多い。

「基礎化粧品ごとに持つ効果が最小限なのは否めませんが、それにより肌を甘やかせずに自立を促す効果も期待できます。皮膚の悩みがない人で自分の肌に合ったものが見つかれば、オールインワンジェルで問題ないでしょう。何よりも面倒なスキンケアの工程がたった1つで済んでしまうのは最大の魅力ですから」

ただ使用する際は「UVケア」に気を付けたほういいそうだ。

「できれば、朝はオールインワンジェルのあとにしっかりUVケアをしてほしいです。家の中や少しの外出でも紫外線を浴びてしまい、その蓄積が将来の『光老化』につながってしまいます」

「光老化」とは紫外線を長年浴びることで肌にシミやシワ・たるみなどを引き起こすこと。オールインワンジェルで問題がない人も、UVケアは怠らないほうがいいだろう。
(高山恵+ノオト)

お話をお聞きした人

藤井佳苗さん
藤井佳苗
西麻布ヒフ・形成外科
医学博士・形成外科専門医。美容・アンチエイジングの最先端医療を実践。きめ細かいスキンケアアドバイスや漢方薬を取り入れるなど、女性に寄り添った診療を行う。
医学博士・形成外科専門医。美容・アンチエイジングの最先端医療を実践。きめ細かいスキンケアアドバイスや漢方薬を取り入れるなど、女性に寄り添った診療を行う。