離乳食で赤ちゃんに「卵」を与えるときの注意点【医師監修】

離乳食で赤ちゃんに「卵」を与えるときの注意点【医師監修】

この記事では離乳食で卵を与えるときの注意点について、医師監修のもと解説します。親同士の口コミやインターネット上の情報には、食物アレルギーについて医学的根拠のない内容や体験談が含まれていて、正しい知識や必要な情報にたどり着くまで時間がかかることがあります。離乳食を開始して、食物アレルギーかもしれないと思ったときは、すぐに小児科あるいはアレルギー専門医に診てもらいましょう。

卵を開始するときは卵黄から

卵アレルギーの原因となるタンパク質は、加熱することでアレルギー源としての働きは弱まります。卵黄は大丈夫でも、生卵や半熟卵、加熱時間の短い卵白ではアレルギー症状が出ることがあります。

初めて卵を食べさせるときは離乳食を生後5~6カ月ごろに開始して、つぶしたおかゆから与え、慣れてきたら野菜、果物を、さらに慣れてきたら固ゆでした卵黄を与えます。卵は新鮮なものを選び、かたゆでした卵黄をすりつぶして多めの水分でのばしたものを耳かき1杯程度にして与え、少しずつ増やしていきます。初めて卵を与えるときや量を増やすときは、アレルギー症状が出てもすぐに受診できるように小児科が開院している時間帯(平日の昼間など)で、赤ちゃんの体調が良いときに与えるようにしましょう。

生後7~8カ月ごろは卵黄1個~全卵1/3個、9~11カ月ごろは全卵1/2個、1歳~1歳6カ月ごろは全卵1/2~2/3個を目安に与えます。

卵アレルギーかも? と思ったら

卵の加熱時間や加熱温度によってアレルギー源が弱くならず、アレルギー症状が現れることがあります。例えば、おかゆやうどんを卵とじにする場合や卵焼きを焼く場合、茶碗蒸しやプリンを加熱する場合はしっかり中まで火を通すことが大切です。ただし、しっかり火を通したつもりでもアレルギー源が弱くなっておらず、アレルギー症状が出てしまうことがあります。症状が出た場合は、小児科医あるいはアレルギー専門医の診察を受けましょう。重症度によっては、卵を完全に除去する必要がない場合もあります。
また、少しずつ卵が食べられるようになっても赤ちゃんの口の周囲だけが赤くなる場合は、卵のタンパク質が肌に付着して炎症を起こしている可能性があります。その場合は、医師の指示のもと、肌を守るために口の周りにワセリンを厚めに塗ってから食べるようにすることがあります。

卵を除去したほうがいいと医師が判断した場合は、卵の代わりに肉・魚・大豆でタンパク質を補うようにしましょう。卵と卵を含む加工食品、その他の鳥の卵(うずらの卵など)は離乳食で与えないように気をつけましょう。

ハンバーグなどのつなぎなどは、片栗粉などのでんぷん、すりおろしたじゃがいもやれんこんで代用します。離乳食の準備が負担にならないように卵不使用の肉や魚の加工食品、調味料、ホットケーキミックスなどをじょうずに使いましょう。なお、卵に含まれるタンパク質と、鶏肉や魚卵に含まれるタンパク質は異なるため、鶏肉や魚卵を除去する必要はありません。

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