日本オリジナルで日本初の大規模展

ジャン=ミシェル・バスキア Self Portrait, 1985 acrylic, oilstick, crown cork and bottle caps on wood 141.9 x 153 x 14.9cm Private Collection Photo: Max Yawney Artwork (C) Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York
1980年代のアートシーンに彗星のごとく現れたアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキアは、わずか10年の活動期間に、3000点を超すドローイングと1000点以上の絵画作品を残した。
その作品は、20世紀のモダニズム芸術の流れを踏まえ、ジャズやヒップ・ホップ、アフリカの民族や人種問題などのテーマを扱っている。
27歳の若さで亡くなったけれど、没後もますます名声が上昇し、今でもアートやファッション、カルチャーなどに大きな影響を与えているバスキアは、近年も欧米の有名な美術館での展覧会が相次ぐ。
2019年11月17日(日)まで開催される今回の展覧会は、日本オリジナルで、日本初の本格的な大規模展。世界各地から集められた約130点が六本木に集結する。作品は絵画やオブジェ、ドローイングや映像作品など多彩で、中には世界中のバスキアファンもうらやむような初公開のプライベートコレクションも含まれているとか。
80年代の日本に影響を受けた作品からバブルの熱気を感じて

ジャン=ミシェル・バスキア Napoleon, 1982 acrylic and oilstick on canvas mounted on tied wood supports 121.9 x 121.9cm Private Collection
Photo: John R. Glembin Artwork (C) Estate of Jean-Michel Basquiat.
Licensed by Artestar, New York
バスキアが活躍していた1980年代は、日本で言えばバブル景気の時代。「Yen」のように当時の日本の世相を反映したモチーフや、ひらがなを取り入れた作品なども制作している。
バスキアはたびたび来日し、6回の個展や10のグループ展も開催。展覧会では、バスキア研究の世界的な権威であるディーター・ブッフハート氏が、バスキアと日本とのさまざまな絆を紹介するとともに、日本の豊かな歴史や文化がバスキアの創作に与えた知られざる影響を明らかにする。
展覧会のテーマ「メイド・イン・ジャパン」は、当時のバスキアが見たニッポンでもある。作品からは、1980年代の日本が持っていた熱気や好景気に沸く雰囲気などが、バスキア自身の強烈なエネルギーと共鳴していたことが感じ取れるかもしれない。
時代を駆け抜けたバスキア作品の魅力を、“80年代の日本”という視点から見直してみるのも面白そう。今回は音声ガイドが来場者全員無料になるほか、一度来場すると二度目の鑑賞が無料(会期中、平日の17時以降、詳細は公式サイト参照)になる特典もあるので、この機会にバスキアの世界にふれてみよう。
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