肉汁を閉じ込めて美味しくするハンバーグの焼き方のコツ

第4176回 はじめてライフ
女性にも男性にも、小さな子どもにも人気のおかずと言えば、ハンバーグ! 家庭料理の定番でもありますよね。しかし、定番とはいえ美味しく作るにはコツがあるので、失敗しやすい料理とも言えます。焦がしてしまったり、中が生焼けで食べられなかったり、せっかくできたと思ってもパサパサで美味しくなかったり...と、失敗してしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。今回は、意外と難しいハンバーグをご家庭でも美味しく作るコツを徹底解説します!

なぜハンバーグの焼き方が失敗してしまうのか

レストランでいただくときのように、ジューシーでふっくらしたハンバーグが作りたいのに、いざやってみると失敗してしまうことも多いのではないでしょうか。
ハンバーグの失敗例は、生焼け、焦げる、パサパサになる、など色々とありますが、それぞれに違う原因があるのです。まずは、失敗例とその原因についてみていきましょう。

中が生焼けだった

作ったハンバーグをお皿に盛り付け、いざ食べようとナイフを入れたら、中が生の状態だった…なんてことはありませんか。これは焼くときの火加減が原因になっていることが多いのです。強火で焼くと、表面には美味しそうな焼き目がつくのですが、中まで火が通っていない場合が多く、生焼けのハンバーグになってしまうのです。また、パティが分厚すぎる場合も火が通りづらく、生焼けになる原因になります。

割れて崩れてしまう

パティを焼いているうちに割れて崩れてしまい、ひっくり返すときにはもうボロボロ状態に…。そんな失敗は、そもそもパティを作る段階に原因があります。パティの中に含まれる空気が膨らむことで、ハンバーグが割れてしまうのです。パティを作るときに、しっかりと空気を抜くのがポイントです。

お肉がパサパサになってしまう

お店で食べるハンバーグはジューシーなのに、自分で作るとパサパサでとても美味しいとは言えない…。これは、焼くときに肉汁を外に逃がしてしまっていることに問題があります。肉汁を逃がしてしまう原因は、パティの作り方と焼き方の両方にあります。まずパティを作る段階では、自分の体温によって挽肉に熱が加わり、肉の脂肪を溶かしてしまっている可能性があります。また焼く段階では、パティのヒビ割れから肉汁が流れ出てしまったり、強火で焼き過ぎだったりすることが原因になります。

上手に焼くためにはパティの形など準備が大切

美味しいハンバーグを焼くには、焼く前の段階からコツがあるのです!崩れやすいパティだと、崩れたところから肉汁が逃げてしまいます。また、パティを作る段階で体温によって熱が加わると肉の脂肪が溶けてしまうため、スピーディーに作ることもポイントです。それでは、美味しく焼くためのパティの作り方を順番にご説明します。

挽肉をよくこねる

挽肉同士を密着させることで肉汁を閉じ込められ、焼いたときに肉汁たっぷりのジューシーな仕上がりになります。そのため、まずは塩を入れた挽肉を粘り気が出るまで、しっかりこねましょう。このとききちんとこねられるように、ほかの材料は入れず、挽肉だけをこねておきます。よくこねることが大事ですが、肉の脂肪を溶かさないように時間をかけずに、素早く指先でこねましょう。体温で温めてしまわないために、木ベラを使ってこねるのもいいでしょう。
この後で炒めた玉ねぎを入れる場合は、やはり挽肉に熱を加えないようにするため、玉ねぎをよく冷ましてから入れましょう。

しっかり空気を抜く

パティに空気が入っていると、焼いたときに表面が割れてしまいます。型崩れの原因になりますし、割れてしまうと肉汁が流れ出てしまうことにもなるので、空気はしっかり抜いておきましょう。両手で小さくキャッチボールをするような感じで、10回〜20回ほどパティを叩き、空気を抜きます。

パティの形にもポイントが!

レストランでは、まん丸のボールのようなハンバーグもありますが、ご家庭では中まで火が通りやすい形にしましょう。厚さは2cmくらいにするのが、作りやすくておすすめです。
また、パティを成形するときは丸く固めたお肉を潰して、平べったくするだけではありませんか。ただ形にするだけでなく、パティのフチも滑らかに綺麗に整えることで、焼いたときの割れを防ぎ、肉汁を閉じ込めることができます。また、焼く前に真ん中をくぼませることで、中まで火が通りやすくなります。
このくぼみを作るのが、実はとても重要なポイントなのです。先ほど説明した空気を抜く工程で、どうしても抜ききれない分の空気が真ん中で膨らみ、ハンバーグが割れてしまう原因になるので、それを防ぐためにも、真ん中をくぼませる必要があるのです。

焦がさず中までしっかりと火を通すための焼き方のコツ

それではいよいよ、ハンバーグの焼き方のコツです。コツさえ知っておけば簡単です。ぜひこの機会に覚えてみてください。

火加減は弱火〜中火でじっくりと

油をひいて、フライパンをよく温めてから焼きましょう。よく温めておかないと、焦げ付きの原因にもなります。
生焼けになってしまう原因として、強火で一気に焼いてしまい、よい焦げ目がついたところでやめてしまうことが挙げられます。これだと表面だけが焼けてしまい、中まで火が通らないのです。ハンバーグは、基本的には弱火から中火くらいで、じっくりと焼きましょう。片面を3分ほど焼いて、焦げ目がついたらひっくり返してもう片方の面を焼きます。

蒸し焼きでふっくらジューシーに

ひっくり返したら、今度は蒸し焼きにしていきます。少量の水(または酒)をフライパンに入れ、蓋をして蒸し焼きにすることで中まで火が通りやすくなります。また、こうすることでふっくらとした仕上がりになるのです。蓋をしたら、3分蒸し焼きにしましょう。

最後に確認!

このままでも美味しく仕上がりますが、お好みで表面をこんがりさせたい場合は、もう一度ひっくり返して火加減を強火にし、短時間焼きます。出来上がったら、最後に焼き上がりの確認をしましょう。ハンバーグに竹串を刺して、透明の肉汁が染み出してきたら完成のサインです。赤い肉汁が出てくるようであれば、まだ中が焼けていないということなので、蓋をしてもう少し蒸し焼きにしましょう。

ちょっと変わったハンバーグの焼き方

ここまでご紹介したのは、フライパンで焼く基本の焼き方でした。それ以外の失敗せずにハンバーグを美味しく焼く方法をご紹介します。

アルミホイルで包み焼き

パティの両面をフライパンで焼いて焦げ目をつけてから、アルミホイルで包みます。このとき、ソースも一緒に入れて包みましょう。後は、アルミホイルで包んだままオーブンまたはフライパンで焼きます。包んで焼くので、型崩れの心配もなく、中までしっかり火が通ります。蒸し焼き状態になるのでふっくらジューシーに仕上がり、簡単に美味しくすることができます。ソースごと焼いてしまうので、煮込みハンバーグ風にもアレンジできますよ。
アルミホイルの代わりに、クッキングシートで包んでも、美味しく蒸し焼きにすることができます。

オーブンでふっくら

ふっくら仕上げるために、オーブンで焼くのもおすすめです。こちらもまずはフライパンで両面に焼き目をつけます。次に、200℃に温めたオーブンで、10分焼けば完成です。オーブンを使って焼き上げる方法は、お店でもやっているところがありますよね。自分で作ったハンバーグはどうしてもパサパサになってしまう…という方は、ぜひ試してみてください。

まとめ

定番料理だからこそ、しっかり美味しく作れるようになっておきたいもの。ハンバーグは、失敗の原因と、上手く焼くコツさえ知っていれば難しい料理ではありません。今まで失敗続きだったという方も、ぜひ次からは美味しく焼くコツを試してみてくださいね。