「やめてよ、お父さん。〇〇するの」
そのCMとは、東京ガスが公開したもの。今までも家族をテーマに様々なCMを手掛けていて、「感動できるCM」として有名です。そんなシリーズのなかでも、「家族の絆 やめてよ」篇は、娘に毛嫌いされる父と、本当は父親のことを大切に思っているのに、素直になれない娘のやりとりがメインになっています。
「やめてよ、お父さん。朝から裸でうろうろするの」、「やめてよ。娘のお弁当つまみ食いするの」、「やめてよ。私の化粧を嫌がるの」と、ちょっと鬱陶しく感じる父親の行動に、「やめてよ」と娘の声が印象的です。
「やめてよ」の意味
前述の通り、娘の「やめてよ、〇〇するの」というシーンが続いていくのですが、途中からネガティブな意味での「やめてよ」ではなく、様々な意味に変わっていきます。
父にスマホでメッセージを送ったら、すぐに返信が届き、ちょっと嬉しい「やめてよ」や心配だから仕事しすぎるの「やめてよ」。婚約者が挨拶しに来た夜、娘が幼いころの家族写真を悲しい顔で見ている父に対する「やめてよ」。結婚して家を出ていくことに対して、父親に「寂しい?」と聞くと、「ああ。寂しいな…」と返され、「やめてよ、本当のこと言うの」。そして結婚式当日。父はヴァージンロードで前を見たまま、娘に“あるひと言”を言います…。
SNS上で、「やばい涙腺ガバガバだ」と話題になっている理由は、動画を再生して確認してみて。
結婚する前を思い出す名CM
父と娘の関係は、思春期を境に難しくなりがち。父親を大嫌いにまではならないものの、なんとなく近づいてきてほしくなかったり、自分と父親の洗濯物を一緒に洗ってほしくなかったり。本CMのように、結婚すると決まってから、なんとなく寂しそうに見える父親を見て、複雑な気持ちになった経験がある人も少なくないはず。
父と娘、なかなか素直になれないことも多いと思います。でも、かけがえのない家族の絆は大切にしていきたいですね。このCMを見ると、父親に会いたくなってくるかもしれません。
(文・山本健太郎/考務店)
「家族の絆 やめてよ」篇(90秒) - YouTube