平成30年度「国語に関する世論調査」
先日、文化庁が平成7年度から毎年実施している「国語に関する世論調査」(調査対象:全国16歳以上の男女、調査時期:2019年2~3月、調査対象総数:3590人)の平成30年度の結果が公表されました。
同調査は日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査しているもので、そのなかには「憮然」や「御の字」などの言葉の本来の意味について触れている質問もあります。
「憮然」の意味は…?
「憮然」と「御の字」、「砂をかむよう」という言葉を実際に見聞きしたり、使ったりしたことがある人は多いと思いますが、本来の意味をご存知でしょうか? 同調査でそれぞれの言葉に対して、複数の項目を用意し「どちらの意味だと思うか」と質問したところ、結果は以下の通りに。
「憮然」
・(ア)失望してぼんやりとしている様子…28.1%
・(イ)腹を立てている様子…56.7%
・(ウ)(ア)と(イ)の両方…6.3%
・(エ)(ア)、(イ)とは、全く別の意味…1.5%
・分からない…7.4%
※おもに本来の意味とされるのは(ア)
「御の字」
・(ア)一応、納得できる…49.9%
・(イ)大いに有り難い…36.6%
・(ウ)(ア)と(イ)の両方…6.0%
・(エ)(ア)、(イ)とは、全く別の意味…1.2%
・分からない…6.3%
※おもに本来の意味とされるのは(イ)
「砂をかむよう」
・(ア)悔しくてたまらない様子…56.9%
・(イ)無味乾燥でつまらない様子…32.1%
・(ウ)(ア)と(イ)の両方…3.6%
・(エ)(ア)、(イ)とは、全く別の意味…1.1%
・分からない…6.2%
※おもに本来の意味とされるのは(イ)
結果を見ると、いずれも本来の意味とは違うとされるほうが多く選ばれています。
年齢別に見ると、「憮然」の本来の意味である「失望してぼんやりとしている様子」を多く選択しているのは16~19歳で69.5%となり、本来の意味とは違う「腹を立てている様子」をもっとも多く選んだのは60代で64.2%。年齢が上がるにつれて本来の意味とは異なる使い方をしているようです。
普段何気なく使っている言葉も、もしかしたら本来の意味とは違った使い方になっているかもしれません。うっかりミスをしないためにも、国語は大切にしたいですね。
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(文・奈古善晴/オルメカ)