【実験】スマホで視力低下…2時間で「-0.7」!?

第54回 インターネットメディア「STANDBY」
もはや日常生活に欠かせないスマホ。起きてから寝るまで、肌身離さず持っている人もいるのではないだろうか。スマホの消費者動向を調査するMMD研究所によると、スマホを所有する男女のうち、約5割が1日に3時間以上使用しているという。

【実験】スマホで視力は下がるか?

これだけ使用していると、視力への影響が気になるところ。“スマホで視力が落ちる”などと言われることもあるが、これは本当なのだろうか…? そこでR25編集部では、スマホによる視力への影響について実験を実施。20~30代の男女5人に協力してもらい、スマホ使用前後の視力の変化を調べてみた。

5人の元の視力は0.4~1.2と差はあったが、スマホを使用してもらい、1時間ごとに視力を測ると、1時間後では視力が落ちない人もいたものの、2時間後には被験者全員が0.1~0.7程度視力が低下するという結果に。下げ幅が大きい人だと、「1.2→0.5」(20代後半女性・右目)、「1.0→0.4」(30代前半男性・左右とも)になっていた。もちろん一時的とはいえ、スマホの長時間利用は、やはり視力に影響するといえそうだ。

視力の推移
視力の推移

専門家に聞く「スマホで視力が落ちる」理由

この結果を受け、スマホによる視力への影響について、眼科の専門医である「あまきクリニック」院長の味木幸先生に詳しく話を聞いた。

「裸眼視力は、体調や天候などのコンディションにより変動しますが、20代では安定するものです。しかしながら、スマホやPCのディスプレイを長時間見ることにより、一時的な視力低下(仮性老眼)を訴える人が若年層を中心に増えています。人間の目は環境に順応しようとする性質があるため、当初は一時的でも、症状が続くと本格的に近視化するおそれがあります」(味木先生、以下同)

そもそもスマホを見過ぎることで、なぜ近視化してしまうのだろうか。

「スマホによる影響はいくつか考えられますが、そのひとつにブルーライトの影響です。ブルーライトとは可視光線のなかでも、もっとも強いエネルギーを持つ青色光。ブルーライトが目のピントを合わせる毛様体筋に負荷をかけ、眼精疲労を起こし、視力低下を招きます。加えて、スマホを見る時の距離はPCよりも近いため、より影響が大きいでしょう。そもそも本やガラケーと比べると、スマホに表示される情報量はかなり多いんです。大量の情報を見続けると脳に負荷がかかるので、視覚情報をうまく処理できなくなってしまうのも一因です。同じスマホの画面でも、文章を読むよりゲームで遊ぶ方が視力への影響は大きいはずです」

つまり、単に目の疲労だけでなく、脳への負荷が視力に影響するということだ。“仮性老眼”にならないようにするには、どうすればよいのだろうか?

視力低下を抑える対策は?

「可能であれば、長時間連続して使わずに、時間を区切って休憩を入れることを勧めます。しかし、どうしてもスマホを見なければならない機会は多いもの。その場合、一番重要なのはきちんと睡眠をとることです。また、目の上や首の後ろを温めたり、肩甲骨と肩関節を回したりするなど、身体の血行を良くすることが効果的です」

スマホで疲労した目をケアするグッズも増えている。例えば、視覚情報を遮断しながら目の周りを温める「蒸気でホットアイマスク」「あずきのチカラ」、眼精疲労への有用成分が入ったサプリメント「ブルーベリー&メグスリノ木EX」「めなり」、ブルーライトによる疲れ目への効果をうたう「サンテPC」や「デジアイ」といった目薬などが挙げられる。

さらに、ディスプレイを見る際には、自分に合った視力矯正のメガネをかけることもオススメだという。

「視力の良い人のなかには、度入りのメガネをかけることに抵抗を覚える人もいますが、仮性老眼は目のピントを合わせる毛様体筋が疲れて調整力が弱っている状態。軽い度が入ったメガネをかけることで、その調整をサポートし、負荷を軽減することが大切です」

ブルーライトカットメガネ流行の先駆けとなったJINSの「JINS SCREEN」や1つのレンズに近距離用と遠距離用の2つのゾーンをあわせ持つ眼鏡市場の「i-relax」など、スマホ向けメガネは各社販売している。スマホやPCを見る機会が多い人はかけてみるとよいだろう。

便利さゆえに、使用する機会が格段に増えたスマホ。目に負担をかけすぎない対策を立てつつ、うまく付き合っていくことが大切だ。

(杉山大祐/ノオト)

【関連リンク】 あまきクリニック

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世の中を切り取るインターネットメディア「STANDBY」が配信する記事です。
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