「女子力高い系」ママを襲う、出産後の誤算

第1回 ”女子力高い系ママ”の意識の高さが自分を追い詰める!?
いつでもかわいくキレイでいたり、家事もマメだったり、面倒見が良かったりする「女子力高い」といわれる女性たち。

そういったタイプの女性は一見理想的に見えて、実は結婚・出産後に意外な落とし穴があるそう。

「2~3年前から講座や講演でパパ・ママと話す機会が多くなったのですが、パパ側からよく聞くのが『子どもが生まれてから妻が変わってしまってショック』という言葉です」

こう話すのは、NPO法人tadaima!代表理事の三木智有さん。その理由について、次のように説明する。

「『出産して変わった』と言われるママの多くは、『女子力が高い』タイプの女性です。独身時代や結婚当初は、面倒を見てあげるのが好きだったのに、子どもを持つと以前と同じようにはやってあげられなくなる。そこに男性は不満を抱くケースが多いのです」(三木さん 以下同)

鍋を持っている女性

●「妻が変わった」と思われてしまうのは、夫に対して外向けアピールが不要になったから

「女子力高い」系の女性は、もともとマメで世話好きということももちろんあるが、男性を喜ばせるために「女子力」をアピールポイントにしていたケースもある。

だが、恋人同士の頃には「彼氏=外側」だったものが、家族になることで「夫=内側」に変わる。そうなれば、必然的に結婚・出産後には男性に対して以前と同じような接し方ではなくなる。それは本来当たり前なのだが、男性側は自分が変わらないために、「妻が変わってしまった」と嘆くそう。

「一方、結婚前から、できないことはできないとはっきり言っていた女性や、『働きたいから一緒に家事もやってほしい』と話し合ってきた女性は、ママになってもギャップが少なく、同じ温度でいられることが多いんです。つまり、女子力が高いタイプは、ギャップの大きさゆえに夫から過剰に『変わった』と反応されてしまうんです」

さらに子ども最優先になり、夫の優先順位が下がるのも当然だが、それが受け入れられない男性は多いよう。

寝ながらスマートフォンをいじっている男性

●パパが何もしないのは、ママのこだわりのせいかも!?

「さらに、女子力が高いタイプは、こだわりが強すぎることもあります。そのこだわりが夫婦の共通認識なら良いですが、そうでない場合、食材をオーガニックにこだわったり、家事・育児も手を抜くことができなかったりすると、男性が協力しようとしても、求められるクオリティに届かない。すると、男性は家事・育児に参加できなくなってしまうのです」

結婚当初は協力していたのだが、「何をやっても『違う』とダメ出しされてしまう」と嘆くパパは多いそう。

独身時代や結婚当初は相手に尽くしていた女性や、結婚後も自分のこだわりを貫いている女性は、気づかぬうちに夫婦の溝が深まっていないか、一度考えてみる必要があるかも。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

三木智有さん
三木智有
NPO法人tadaima! 代表理事
「ただいま!」と帰りたくなる家庭=家族が協力し合い、創る、居心地のいい家庭を増やすことをビジョンに、2011年にNPO法人tadaima!を発足。家事シェアプロモーション事業など幅広く展開。
「ただいま!」と帰りたくなる家庭=家族が協力し合い、創る、居心地のいい家庭を増やすことをビジョンに、2011年にNPO法人tadaima!を発足。家事シェアプロモーション事業など幅広く展開。