大人も子どももOK! ヘアドネーションで髪を寄付する理由

第2回 髪の毛でできる奉仕活動「ヘアドネーション」って何?
病気で髪を失ってしまった子どもたちの医療用ウィッグのために、自分の髪を寄付する活動「ヘアドネーション」。

実際に髪を寄付する人たちは、どんなきっかけや理由で行っているの? 特定非営利活動法人「Japan Hair Donation & Charity(通称ジャーダック)」代表の渡辺貴一さんは次のように話す。

「髪を寄付するきっかけは、十人十色で、実に多岐にわたっています。『髪の毛を伸ばす理由が、イコール切る理由』『ある目的を達成したから』ということも多いですね」(渡辺さん 以下同)

例えば、成人式を終えて心機一転カットする人。結婚式まで伸ばしていた髪を、披露宴の中でイベントとしてバッサリ切る「断髪式」を行う人。妊娠・出産を機に「子宝を授かったから、幸せのおすそ分け」として行う人。

また、大切な人をガンなどで失い、「何もしてあげられなかった」という「ある種の後悔」から、誰かの役に立つために行う人。自分がガンになってしまい、抗がん剤で髪が抜ける前に人の役に立てたらと、寄付する人もいるそう。

切った髪の毛を持っている女の子

●「誰かの役に立ちたい」という思いは、子どもも同じ

実は子どもの髪の寄付も多いというけど、そのきっかけは?

「バレエをやっていた子、フラダンスをやっていた子などが、髪を切るときに寄付するケースや、七五三を終えた節目や、入学卒業の機に寄付するというケースもあります」

また、ダウン症の子を持つお母さんがヘアドネーションの活動を知り、「人のおかげで生きてきた子が、人のためになることができるなんてうれしい」という思いから、自分の子の髪を寄付することもあったとか。

「何年も外に出ていなかったひきこもりの子が、この活動のために外に出られたという話も聞きました。人は、姿かたちを変えると、気分も変わるもの。ボサボサだった髪をスッキリとショートにすることで、社会に出られるきっかけになる可能性もあります」

ところで、ヘアドネーションを実際に行った人たちからはどんな感想があるのだろうか。

「お便りでよくいただくのが『晴れ晴れした気持ちになった』『こういった活動をやってくれてありがとう』といったものです」

なかには「美容室で髪を切ることで、こんなにも気持ちが高揚したのは、長い人生で初めてです!」といった感想もあるとか。

「誰しも美容室に行くのは、少しでも若く見られたい・キレイに見られたいといった自分だけの価値からですよね。でも、それが自分のためだけでなく『人のため』『人の役に立つ』という理由になるのですから、雲泥の差があるのでは?」

「誰かの役に立ちたい」「誰かに喜ばれたい」と思いを持ちつつも、その方法が見つからない人は少なからずいるだろう。そうした人に「ヘアドネーション」は最適の方法なのかもしれない。
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

渡辺貴一
JHDAC 代表
100%寄付された髪の毛で作った「フルオーダーメイドの医療用ウィッグ」を、頭髪の悩みを持つ18歳以下の子供たちに無償でプレゼントしている日本で唯一の特定非営利活動法人。
100%寄付された髪の毛で作った「フルオーダーメイドの医療用ウィッグ」を、頭髪の悩みを持つ18歳以下の子供たちに無償でプレゼントしている日本で唯一の特定非営利活動法人。